こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

今回は今年6シリーズ目となる歯牙移植症例集となります。

今回は根管充填された失活歯のため根管治療編を除いた

準備編、手術編、固定除去編、被せ物編と4ターンに分けて

お話させていただければと思います。

以前のブログやY O U T U B Eも一緒にご覧いただければ

歯牙移植のイメージもつきやすいと思います。

よければそちらもご覧ください。

以前のブログはこちらから

歯牙移植症例集2022①

歯牙移植症例集2022①

歯牙移植症例集2022②〜準備編〜

歯牙移植症例集2022②〜準備編〜

歯牙移植症例集2022③〜準備編〜

歯牙移植症例集2022③〜準備編〜

歯牙移植症例集2022④〜準備編〜

歯牙移植症例集2022④〜準備編〜

歯牙移植症例集2022⑤〜準備編〜

歯牙移植症例集2022⑤〜準備編〜

他多数

今回の患者さんは左上4番の歯がむし歯によりボロボロとなってしまい、

歯根だけになっている状態でした。

 

以前頑張って矯正をして綺麗に並べてもらっていた歯なだけになんとか残せないか

という相談を受け担当させていただきました。

4番目の歯は小臼歯といい、通常移植で使われる親知らずはサイズ的に入りません。

そのため、最初は歯牙移植を断念し、なんとか歯根挺出術(エクストリュージョン)での

処置ができないか診査を行いました。

エクストリュージョンについては過去のブログをご覧ください

「保存的治療」におけるエクストリュージョンとは

 

しかし残存する歯根の長さが6mm程度しかありません。

引っ張った後の歯根の長さを考えてもエクストリュージョンでの歯の保存は難しいと

判断しました。

もう一つの案として上がったのは分割歯牙移植です。

左下6番の大臼歯もむし歯による歯根破折のため保存が難しく、

抜歯をしなければならない状態でした。

しかし、その歯の歯根そのものはむし歯を取り除きさえすれば移植に耐えられるほどの

歯根の長さを有していると判断し、保険適応外での歯牙移植となりますがご提案を

させていただきました。

ブリッジやインプラントにならないで済むならばと歯牙移植での治療をご希望されました。

通常の歯牙移植でも慎重に移植歯を摘出するのですが、

分割歯牙移植は段違いに難易度が上がります。

なぜなら歯根が細いわけですから、抜歯中の歯根破折だけでなく、

生着に関わる歯根膜(歯根に付着する組織)にストレスをかけないように抜かねばならない。

事前に2根ある歯根のどちらが有用か、

またその歯根が抜歯時に破折してしまった場合、

もう一つの歯根は歯牙移植に使えるのか、

さまざまなシミュレーションを行なった上でオペに臨みました。

実際のオペは次回お話します。

保存不可能と言われた場合、

もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません。

抜いてしまうその前に一度ご相談ください。

あなたの歯が1本でも多く残りますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科