歯牙移植症例集2022③〜準備編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回は今年3シリーズ目となる歯牙移植症例集となります。
いつものように準備編、手術編、根管治療編、被せ物編と4ターンに分けて
お話させていただければと思います。
以前のブログやY O U T U B Eも一緒にご覧いただければ
歯牙移植のイメージもつきやすいと思います。
よければそちらもご覧ください。
以前のブログはこちらから
歯牙移植症例集2022①
https://heartful-konkan.com/blog/20774
歯牙移植症例集2022②〜準備編〜
https://heartful-konkan.com/blog/20845
他多数
今回の患者さんは右下6番目の被せ物の歯が歯根破折と診断され、
なんとか保存できないかということでご来院された患者さんです。
レントゲン上で歯根を含む大きな影が確認でき、レントゲンからも歯根がパックリ折れてしまっている
ことがわかります。
この状態では以前お話した破折歯に対しての接着治療は適応になりません。
患者さんに現在の状態をお話し、保存不可能ということでご理解いただきました。
レントゲン上で2本奥に手前に引っかかる親知らずが眠っているのがみえると思います。
サイズ感からすれば今回の右下の奥歯に近似しているため、保存不可能歯は抜歯となりますが、
歯牙移植により親知らずを活かしながら歯を残すプランをご提案させていただきました。
もともと手前に引っかかっている歯は残しておくだけでリスクとなる歯。
抜歯ついでに活かせる歯ならば是非トライしたいということで歯牙移植を行うこととなりました。
とは言っても右下の腫れている歯は歯根に大きな膿を有しています。
感染している足場に親知らずの移植を行っても生着率を下げるリスクがあるため、
移植後待機移植(抜歯してから移植床の治癒を待ってから移植へ移行する手術法)
を行うためにまず抜歯を行いました。
抜歯とともに不良肉芽という膿の袋も徹底的に除去します。
およそ9週間治癒を待った後、歯牙移植へと移行していきます。
次回は手術編として歯牙移植の手術から固定除去までのお話をさせていただきます。
保存不可能と言われた場合、
もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません。
抜いてしまうその前に一度ご相談ください。
あなたの歯が1本でも多く残りますように・・・