歯牙移植症例集2022②〜準備編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回から歯牙移植症例集として歯牙移植の流れについてお話していきます。
以前はブログや当院のY O U T U B Eでも歯牙移植について取り上げておりましたが、
今回からは歯牙移植症例集として、少しずつ掲載していきますので、
以前のブログやY O U T U B Eも一緒にご覧いただければと思います。
前回は歯牙移植症例集第1弾として歯牙レプリカを使用し始める前の歯牙移植を
ご紹介させていただきました。
(前回のブログはこちら https://heartful-konkan.com/blog/20774)
今回は第2弾〜準備編〜
歯牙移植を行う日までの流れについてお話していきます。
歯牙移植を歯牙レプリカを使用して行った初めての症例です。
左下の5番目の歯が欠損の状態で、他院でブリッジを勧められた30代女性。
神経が生きている両隣在歯を削らないで治す方法がないかとのご相談を受け治療計画
の立案を行いました。
両隣在歯を削らない一般的な治療は部分入れ歯かインプラント治療となります。
年齢的に部分入れ歯入れたくない、インプラント治療で人工物を極力入れたくないとの
ご要望も含め治療計画をご相談させていただきました。
上顎の小臼歯(前から5番目の歯)がたまたま虫歯が大きい歯があり、
通常のむし歯治療では残せそうにない歯であったため、
(保存するには※エクストリュージョンが必要な状態でした。)
逆に移植のドナー歯として使用するのはどうかという計画を患者さんと話し合い、
自由診療での歯牙移植となりましたが、歯牙移植を進めていくこととなりました。
※エクストリュージョンとは歯根挺出術ともいい、
歯質の少ない歯根を矯正的に引っ張り上げることで保存を図る治療法です。
詳しくは以前のブログをご覧ください。
(エクストリュージョンの過去ブログはこちらから
https://heartful-konkan.com/tag/エクストリュージョン/)
歯牙移植は通常親知らずを利用しての場合、保険適応になることがありますが、
それ以外の歯を歯牙移植のドナー歯として利用する場合、保険適応となりません。
(今回のケースの場合、欠損部も小臼歯部、ドナー歯も小臼歯のため、
保険適応外での歯牙移植ということもご了承いただいた上での治療計画となります。)
まずはCTによりドナー歯のサイズを計測。
そのデータから歯牙レプリカを製作します。
移植歯を入れる場所をインプラントのシミュレーションソフトにより決定し、実際の手術を行います。
ここまでが歯牙移植準備編となります。
どんな外科処置も、事前のシミュレーションがとても重要です。
歯牙移植の場合は移植床だけでなくドナー歯のコンディションも適応か否かに関わるので
事前診断がとても重要だと考えております。
次回からは実際の歯牙移植の手術編をお話させていただければと思います。
あなたの歯が一本でも多く残せますように・・・