歯牙移植症例集2022①
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回から歯牙移植についてお話していきます。
以前のブログや当院のY O U T U B Eでも歯牙移植について取り上げておりましたが、
今回からは歯牙移植症例集として、歯牙移植の治療の流れについてお話できればと思います。
右下の奥歯がぐらつくという訴えで来院された30代男性。
レントゲンから、親知らずが手前の歯の歯根に引っかかっていているのが見て取れます。
残念ながらこの歯は保存ができません。
保存できない歯を抜歯して矯正治療を行うか、
親知らずとともに抜歯を行ってインプラント治療を行うのが一般的だと思います。
保存不可能な歯は、むし歯が大きいものの、周囲の骨に炎症はさほど起こっておらず、
また親知らずも湾曲した歯根なものの、丸っこい、抜歯時に折れなさそうなドナー歯候補となりそうなため、歯牙移植の提案を行いました。
事前C Tにより移植床のサイズの確認、顎骨内の神経・血管までの距離の確認
ドナー歯のサイズの確認を行います。
インプラントシミュレーションソフトにより、移植床にドナー歯のサイズをトレースして
移植可能かの診断を行います。
これが術前
そして移植した状態がこちら
4週間の固定期間ののちに根管治療へと移行します。
固定を除去して動揺が少なければ、写真のようにラバーダムをかけ、
唾液の侵入を防ぎながら根管治療へと移行します。
根管充填時の写真がこちら
土台を立てて、最終的な被せ物を入れて終了です。
ここまでの治療期間はおよそ3ヶ月前後。
移植後の治癒経過により、この期間は前後しますが、
ご自分の歯を残せるこの治療は究極の「保存的治療」だと考えます。
この歯牙移植の患者さんは2019年歯牙移植を行い、現在2年半が過ぎようとしています。現在のところ痛みも揺れもなく、快適な日常を送られています。
定期検診にも欠かさずいらっしゃり、こちらも安心して経過を追っております。
歯牙移植を始めてまだ浅い症例のため、手術中の写真等がないのが申し訳ありませんが、
レントゲン写真からも経過が良好なことがお分かりいただけますでしょうか。
次回以降も歯牙移植症例集をあげていければと思いますので是非ご覧いただければ幸いです。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・