論文が掲載されました⑥
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
この度、日本臨床歯科C A D C A M学会で論文が掲載されました。
以前のブログはこちらから
何回かに分けて論文内容を患者さんにもわかりやすいように解説しております。
前回までのブログはこちらから
前回からデジタル歯牙移植の種類について解説しています。
デジタル歯牙移植術〜歯牙移植術をD X化する〜
ハートフル総合歯科グループ 野田裕亮
デジタル歯牙移植の種類
4.移植のタイミング
移植の術式は大きく分けて3種類あります
○抜歯即時移植
○抜歯後待機移植
○欠損部に対して行う移植
抜歯即時で移植を行う場合、手術は1回で済むので患者さんの負担は少ないというメリ
ットだけでなく抜歯窩に残存した歯根膜が移植後の生着に働いてくれるのは抜歯即時移
植でしか得られません。しかし抜歯窩に大きな感染源があった場合、移植歯の感染に繋が
り生着不良の原因となってしまいます。また、移植歯のサイズが抜歯窩よりも小さい場合
は移植部分にスペースが空いてしまうため、緊密に塞ぐことができません。そういったケ
ースでは抜歯後待機し、感染がなく歯肉も封鎖してきた状態で移植へと切り替えていき
ます。ただし、抜いた後いつでもいいわけではありません。抜歯後9週間を超えてくると
急激に歯槽骨の吸収が始まります。事前にシミュレーションした通りの骨で
なくなってしまうため、移植不可能になってしまうことも考えられます。
抜歯後待機移植のタイミングは抜歯後4〜9週を目安として患者さんにはお話しております。
欠損部に対しての歯牙移植の場合は抜歯は不要だが、移植床側からの歯周組織への
再生は起こらないので再生療法を併用しながら移植を行うようご提案しております。
いかがだったでしょうか?
歯牙レプリカを使用した歯牙移植は当院では自由診療となります。
しかし、従来の歯牙移植に比べ歯根膜のダメージを最小限に抑えた治療となるため、
成功率を下げないベストな選択肢だと考えております。
次回はデジタル歯牙移植の治療の流れpart3についてお話していきます。
歯が保存できないと診断されたとき、歯牙移植という治療があることを知ってほしい。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・