論文が掲載されました⑤
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
この度、日本臨床歯科C A D C A M学会で論文が掲載されました。
以前のブログはこちらから
何回かに分けて論文内容を患者さんにもわかりやすいように解説しております。
前回までのブログはこちらから
今回はデジタル歯牙移植の流れについて解説していきます。
デジタル歯牙移植術〜歯牙移植術をD X化する〜
ハートフル総合歯科グループ 野田裕亮
デジタル歯牙移植の流れ
- C Tによる移植シミュレーション
歯牙移植を行う場合に絶対条件として移植歯が移植床に入らなければ移植はできません。
ドナーとなる移植歯の選定とともに移植床の幅の確認と上顎であれば上顎洞(副鼻腔)、
下顎であれば下歯槽神経までの距離を計測します。移植歯に関してはサイズだけでなく
歯根形態にも注意が必要となります。複数歯根がある場合または湾曲している場合、
移植歯の抜歯時に歯根破折の原因となったり、歯根膜剥離の原因となってしまいます。
C Tによる事前診断によりそう言ったリスクを未然に回避できるようになってきました。
- セグメンテーションソフトによりC Tから移植歯データを抽出する
移植のシミュレーションにて移植可能となれば移植歯のレプリカ作製を行います。
歯牙レプリカの作製には専用のファイル形式が必要でC Tデータから直接制作する
ことはできません。セグメンテーションソフトといい顎骨のデータから移植歯のデータ
だけ切り抜き、出力可能なファイル形式に変換する必要があります。
- 欠損部への歯牙移植はサージカルガイドを作製する
欠損部分への歯牙移植の場合、元あった歯の向きを参考にできないため、歯を植立する
向きを見失いやすくなります。その場合、サージカルガイドといいドリルを進める方向
を誘導してくれるマウスピースは欠かせません。シビアなケースほどサージカルガイド
の重要性は増すものと考えています。
いかがだったでしょうか?
歯牙レプリカを使用した歯牙移植は当院では自由診療となります。
しかし、従来の歯牙移植に比べ歯根膜のダメージを最小限に抑えた治療となるため、
成功率を下げないベストな選択肢だと考えております。
次回はデジタル歯牙移植の治療の流れpart2についてお話していきます。
歯が保存できないと診断されたとき、歯牙移植という治療があることを知ってほしい。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・