無菌化根管治療における根管充填の タイミングと判定 「根管治療、いつ終わる ?」 そのタイミングにある“見えない判断基準”
こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師、本山 直樹と申します。
私は、歯内療法専門医の立場から根管治療における臨床症例を通して感じたことをブログに書いております。
今回は、無菌化をゴールに据えた根管充填の話になります。
「神経を取ったあとの治療って、いつ終わるんですか?」
根管治療中の患者さんから、よく聞かれるご質問です。
確かに、毎週のように通っていただいても、「今日は終わりです」となる日がなかなか見えにくいですよね(*’ω’*)
今回は、根管治療の“終わるタイミング”を考えていきましょう!
根管充填をいつ行うのかという点についてお話していきたいと思います。
そして、その判断の裏にある「無菌化」という見えないテーマについても触れていきます。
目に見えない“無菌状態”を、どう判断するか?
私たちが目指しているのは、根管内をできる限り無菌にすることです。
無菌といっても、完全なゼロは難しいのが現実ですが、「感染リスクが限りなく低い状態」にまで持っていくことが、根管治療の成功を大きく左右します。
その状態をどう見極めるかというと、次のような複数の基準で総合的に判断します。
①仮封を開けたときの臭いの有無
→ 感染が残っていると独特の臭いがあります。
②紙ポイントによる排膿や滲出液の有無
→ 湿り気があるうちはまだ細菌が残存している可能性大。
③患者さんの自覚症状(違和感・軽い痛み)
→ 痛みが残る場合、見えない感染が残存している可能性あり。
④前回治療からの時間経過と仮封の安定性
→ 漏洩があれば再感染の可能性が高くなります。
これらを1つひとつ丁寧に確認して、さらに根管内嫌気培養検査によって、細菌の可視化を行います。「無菌化」と判断できたときに、はじめて“根管充填”という次のステップへ進むのです。
あせって詰めてしまうと、再発リスクが一気に上がってしまいます。
根管充填は、いわばフタを閉じる処置です。
根管内に感染が残っているのにフタをしてしまうと、後から膿がたまり、腫れたり痛んだり…
最悪の場合、抜歯につながってしまうこともあるかもしれません。
そのため、「無菌化できたかどうか?」が、根管充填のタイミングを決める最大のポイントです。
逆にいえば、多少時間がかかっても、そこに妥協しなければ、再発のリスクは大きく下げられるのです。
※無菌化根管治療は自費治療になりますこと、ご了承下さい!
◆根管治療は「工程」よりも「質」
治療の回数や期間はもちろん気になると思いますが、当院では「何回で終わるか」ではなく、「無菌化できたかどうか」を大切にしています。
それは、治療後に痛みや再発に悩まされない、安心して噛める未来をつくるためです。
焦らず、一歩ずつ確実に٩( ‘ω’ )و
私たちはそういう治療を提供しています。
◆最後に
根管治療の終わりは、ただの「回数」では決まりません。
見えない細菌との静かな戦いに勝てたとき──それが、根管充填の“その時”なのです。
もし現在、他院での治療でなかなか終わらないことに不安を感じている方、ぜひ一度ご相談ください。
無菌化根管治療を専門に行う歯科医院として、あなたの歯の未来を一緒に守ります。
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