感染を「見える化」するという発想 ~無菌化根管治療の第一歩~ 「何度も治療してるのに、また痛くなる…」 その原因、見えない“感染”かもしれません!
こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師、本山 直樹と申します。
私は、歯内療法専門医の立場から根管治療における臨床症例を通して感じたことをブログに書いております。
これまでに「神経を取ったはずなのに、また痛くなった」「何度も根の治療をしてるのに、良くならない」と感じたことはありませんか?
実はその裏には、“見えない感染”が残っているケースが少なくありません。
根管治療は、歯の根の中をきれいにする治療です。ところが、この根っこの中には細いトンネルのような複雑な構造があり、見た目以上に厄介な場所です。虫歯の菌や過去の治療によって入り込んだ細菌が、この細い通路の中に潜み、痛みや腫れを繰り返す原因となっていることがあります。
私はこの分野で20年以上診療してきましたが、近年大きく考え方が変わったのは「無菌的に治療できているかどうか」という視点です。
きっかけは、根管治療の第一人者である福島久典先生の著書『こうして無菌の根管をつくった』でした。
この本に出会ってから、私は「ただ削って薬を入れる」ではなく、「感染源を徹底的に除去し、細菌を根管内からなくす」という、“無菌化”に全力を注ぐスタイルにシフトしました。
たとえば、「ラバーダム防湿」というゴムのシートを使った処置。これは、口の中の唾液に含まれる細菌が、治療中に歯の中に入り込まないようにするためのものです。
この処置をきちんと行わないと、せっかく根の中を洗浄しても、また細菌が入り込み、再感染を起こしてしまいます。
また、治療前の“前処理”も大切です。
古い詰め物のすき間から漏れ出た唾液や虫歯、土台の中の見えない感染部分。そういった「見えない敵」を1つ1つ丁寧に取り除くことで、ようやく本格的な根管治療に入ることができます。
実際に当院では、他院で「抜くしかない」と言われた歯が、無菌化根管治療によって保存できたケースもあります。
決して魔法のような治療ではありません。ただ、見えない感染にしっかりと向き合い、丁寧にひとつずつ処置していく。これが、私たちハートフル歯科の根管治療のあり方です。
もし今、根の治療で不安を感じていたり、痛みが繰り返している方がいらっしゃったら、一度ご相談下さい。
このブログでは、無菌化根管治療にまつわる考え方や具体的な処置内容を、分かりやすくお伝えしていきます。
次回は、治療結果を左右する「根管洗浄の再定義」についてお話します。
読んでくださる皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。
お問い合わせはこちらから↓
三鷹・東京で精密根管治療をお探しならハートフル歯科|無菌化で再発
防止
「すべては患者様の笑顔のために」