こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師、本山 直樹と申します。
私は、歯内療法専門医の立場から根管治療における臨床症例を通して感じたことをブログに書いております。
今回は、「無菌化根管治療へのこだわり」について書いてみました。
根管治療は、目に見えない敵との戦いです。
敵の正体は「細菌」。そしてその主戦場は、根管という暗くて細い空間です。
根管治療において大切なことは、「どこまで徹底して“無菌”を追求できるか」に尽きます。
すなわち、細菌を確実に除去して再び侵入させないかということ…
私はその工程を、“無菌化の視覚化”レベルまで突き詰めています。
そして、そのために私は保険診療の枠を超えた自由診療(自費治療)という選択をしています。
なぜならば、時間・技術・材料において、ひとつも妥協せずに本当に治る治療を提供したいからです。
それは、「省略しない根管治療」を体現することであると考えております。

■ 無菌化の「可視化」──根管内細菌培養検査というエビデンス──
根管治療は“無菌化”がすべての基盤です。
私はその“無菌”を細菌培養検査によって可視化しています。
再感染が疑われる症例や、他院で繰り返し再発しているケースでも、この検査を通じて治療の方向性を科学的に判断できます。
つまり、私の治療では「治ったと思う」ではなく、「治ったことを確認する」ことができます。必要に応じて複数回、細菌検査を行います。
この“細菌数の変化の裏付け”が、治療の精度を確実に高めてくれています。

 

【無菌化失敗】

 

【無菌化成功】

 

■ 専門医だからこそ、徹底する基本──無菌的環境の構築:ラバーダム防湿──

細菌との戦いは、治療開始前から始まっています。
また、いくら細菌を取り除いても、治療中に唾液が入り込めば元も子もありません。
私は全ての根管治療でラバーダム必須としています。
これは私にとって、技術でもなく選択でもなく、“常識”です。
「無菌化」とは、細菌を除去するだけでなく、“新たな菌を入れない”ことから始まっているのです。

■感染源を“見逃さない”マイクロスコープの存在

マイクロスコープは、無菌化の精度をさらに高めてくれるツールです。
肉眼では見逃しやすい破折、異常な出血、細部における根管形態などを視認できることで、見落としによる再感染リスクを極限まで下げることができます。
細菌検査で陽性が続いた場合には、再度視野の拡大によって見つけられていない原因を突き止めて、確実に除去するアプローチをとることで対処できるかもしれません。

■ 徹底根管洗浄 × 超音波活性化で“本当の無菌”へ──“取り残さない”治療を目指して──

次に重要なのが、根管内の洗浄です。
根管内を完全に無菌化するためには、時間と手間がかかる処置が必要になります。
私はNaOClやEDTAといった薬液を交互に使用した通常の根管洗浄に加えて、さらに超音波による活性化(PUI)による動的洗浄で、バイオフィルムを破壊します。
1本の根管に10分以上かけることも珍しくありません。
なぜなら、洗浄後の細菌検査で細菌数に変化が起こっているかどうか、それがすぐに結果として返ってくることを分かっているからです。
感染源の取り残しを防ぐための処置には、1本1本に真剣に向き合う時間が必要です。
それが可能なのは、保険診療に縛られない自由診療だからこそ…

■無菌化を“保持しながら封鎖”する材料選択:バイオセラミックシーラー

無菌化された根管を、いかに再感染させずに封鎖するか…
その最後の工程にも私はこだわります。
これら最後の一手も、私の中では非常に重要な意味があります。
私が主に使用しているのはバイオセラミック系のシーラー。
この材料は高い生体親和性膨張作用による高い封鎖性を持ち、細菌がいない根管内において新たな感染源が入り込むのを物理的・化学的にブロックします。
また、pHが高く抗菌性を持つため、わずかに残留する細菌への“最後のとどめ”としても機能します。
無菌に仕上げた根管を、無菌のまま維持する封鎖材として、バイオセラミックシーラーは非常に頼もしい存在と言えるのではないでしょうか…

■ 自由診療という選択肢にこめた責任
私の治療は保険診療ではありません。
それは、保険診療の制約では実現できない水準の治療を提供するためです。
自由診療だからこそ、
・1本の根管に十分な時間をかけられる
・必要な回数、必要な検査ができる
・最善の材料を妥協なく選べる
そのすべてが、「再発しない根管治療」を実現するために不可欠です。

再発させないために、「そこまでやるの?」を当たり前に…
私の治療を見て、「そこまでやる必要あるの?」と聞かれることがあります。
しかし、私にとっては「そこまでやらないと治ったとは言えない」のです。
再発のない治療を目指すなら、根拠ある“無菌化”が絶対に必要です。
だから今日も、細菌数の変化・拡大視野・最適解の材料などから、あらゆる角度で無菌化に挑んでいます٩( ‘ω’ )و
“無菌を目指す”ではなく、“無菌を証明する”こと。
そして“無菌を維持できる材料で封鎖する”こと。
この2つが、私の根管治療を支える信念です!

私は歯内療法専門医として、
“見えない部分こそ誠実に、徹底的に治す”という姿勢を貫いています。
見えないからこそ、誤魔化さない。
そして“見えない治療を、見える根拠で届ける”こと。
それが、私が提供する無菌化×精密根管治療です。

■ 自費による無菌化×精密根管治療について
当院では、精密根管治療をさらに進化させた専門医による無菌化×精密根管治療を自費診療で行っています。
細菌の可視化を主眼とする根管内細菌培養検査を加えることで、保険診療では限界のある「時間」「材料」「手技」に加えて、さらに「確実性」を上げることにつながりました。
それらすべてにこだわり、再発リスクの少ない治療を実現するための内容になっております。

このような歯の悩みをお持ちの方におすすめです!
・何度も根の治療を繰り返している
・治療後に痛みや違和感が残っている
・他院で抜歯をすすめられた
・本気で歯を残したいと思っている

患者様の大切な歯を守るために、科学的根拠に基づいた治療を提供するように努めております。

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『鞠躬尽力、死して後已まん』-諸葛孔明-
(きっきゅうじんりょくして、ししてのちやまん)
【ひたむきに己の全力を尽くし、死ぬまで止めない覚悟である】
この名言は謙虚さ、誠実さ、全力投球、後悔のない生き方、そして充実感を追求する精神を伝えてくれる彼の卓越した哲学と人生観を示すものです。
「すべては患者様の笑顔のために」

医療法人社団徹心会ハートフル歯科