歯牙移植症例集2022⑩〜最終補綴編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回から歯牙移植症例集2022⑩と題して抜歯同時移植の症例をお話させていただいております。
前回のブログはこちら
歯牙移植症例集2022⑩〜診断編〜
歯牙移植症例集2022⑩〜手術編前編〜
歯牙移植症例集2022⑩〜手術編後編〜
歯牙移植症例集2022⑩〜固定除去編〜
https://heartful-konkan.com/blog/22781
今回は最終章〜最終補綴編〜
根管治療から最終的な被せ物までをお送ります。
ではまずあらすじから
左下7番の奥歯が予後不良を診断され、セカンドオピニオンにより来院された50代男性
術前の写真がこちら
仮蓋の入っている一番奥の歯を抜歯し、
歯牙レプリカを試適しながら
親知らずの移植をします。
移植歯を移植して縫合固定します。
この状態で4週間安静にします。
術後4週間後の状態がこちら
固定を除去した状態がこちら
ここからが最終章〜最終補綴編〜
固定除去後は根管治療を行います。
むし歯があるわけではありませんが、
移植手術時に口腔外に摘出された移植歯はその時点で失活(神経が死ぬ)してしまいます。
失活した歯が感染を起こせば、そこから毒素が溢出してしまい、
生着しようとする歯周組織の反応に反し、骨吸収を促進させてしまいます。
結果として移植失敗や術後の根尖性歯周炎を招き、長期的予後がついてきません。
そのため、移植後に歯根の生長が期待できる歯根未完成の幼弱永久歯を
移植歯として使用する場合以外は根管治療を行います。
根管充填を行い、
動揺度、歯周組織の回復を待って最終的な被せ物へと移行していきます。
グラスファイバーコアを植立し、
セラミックの被せ物を被せて治療終了です。
この症例も術後2年経過した症例ですが、痛みもなく安定しております。
インプラント治療もされている方なので、長く快適な生活が送れるよう、
引き続きしっかりメンテナンスで守っていきたいと思います。
保存不可能と言われた場合、
もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません
抜いてしまうその前に一度ご相談ください。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・