こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

前回から歯牙移植症例集2022⑩と題して抜歯同時移植の症例をお話させていただいております。

前回のブログはこちら

歯牙移植症例集2022⑩〜診断編〜

歯牙移植症例集2022⑩〜診断編〜

歯牙移植症例集2022⑩〜手術編前編〜

歯牙移植症例集2022⑩〜手術編前編〜

今回は〜手術編後編〜

前回の抜歯に引き続き、レプリカをした抜歯同時移植についてお話していきます。

ではまずあらすじから

左下7番の奥歯が予後不良を診断され、セカンドオピニオンにより来院された50代男性

レントゲン上でも大きな歯根嚢胞を認め、当院でも予後不良を判断し、

抜歯の適応とお伝えしました。

一つ奥の歯肉の中に埋伏した親知らずがあることから、抜歯をしたスペースから親知らずを摘出し、

抜歯した場所へ移植する抜歯同時移植をご提案し、進めていくこととなりました。

術前の写真がこちら

仮蓋の入っている一番奥の歯を抜歯し、

歯根嚢胞も摘出していきます。

キレイになった抜歯窩がこちら

ここに歯牙レプリカを試適し、どれだけ移植床の形成が必要か確認を行います。

今回の場合は移植床の形成をせずとも歯牙レプリカがすっぽりとハマっているので、

移植床の形成は不要と判断しました。

(実際の移植歯とレプリカに若干の誤差があった場合、移植歯を当てながら

多少の現場合わせをすることもあります)

抜歯した穴から親知らずを摘出します。

埋伏した親知らずを抜歯する場合、スペースを作るために

多くは歯肉を切開し骨を削りながら抜歯をしなければなりませんが

手前の歯を抜いていることで、そちらの方向へ歯を出せば抜けるわけですから、

難易度は高くなく、また歯根膜にもダメージが少なく移植歯の摘出を行うことができます。

摘出した移植歯(親知らず)がこちら

歯牙レプリカと並べてみると

再現性の良さがわかると思います。

まさに影武者。

親知らずを抜歯した抜歯窩には人工骨を填入し、

移植歯の歯根表面にはエムドゲインという再生療法のお薬を塗布し、

歯根膜の再生を促します。

縫合固定をして、医療用の接着剤で隣在歯に固定をすれば、

当日のオペは終了となります。

この後4週間の固定期間の後に次のステップへと移行していきます。

次回は〜固定除去編〜

固定除去移行のお話をしていきたいと思います。

保存不可能と言われた場合、

もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません

抜いてしまうその前に一度ご相談ください。

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科