矯正をして歯を保存する!? フェルール確保のための矯正的挺出法とは
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回のシリーズは症例集ではなく、当院の「保存的治療」についてお話しさせていただいております。
前回から「フェルール確保のための3種類の治療法のそれぞれの特徴と注意すべき点」について
お話させていただいておりますが、
今回は前回に続き、矯正的挺出法(エクストリュージョン)についてお話させていただきます。
前回のブログはこちら
「歯肉を切って歯を保存する!? フェルール確保のためのクラウンレングスニングとは」
「歯を抜いて歯を保存する!? フェルール確保のための外科的挺出法とは」
外科処置のため出血の場面もあるかと思いますのでご覧になる方はお気をつけください。
以前掲載したブログからの症例となりますので詳しくは以前のブログもお読みください。
それでは当院で行う3種類のフェルール確保の治療法についてご紹介します。
③矯正的挺出法(エクストリュージョン)
以前のブログで何度かご紹介させていただいているのでエクストリュージョンについては
ご存知の方も多いかと思います。
(詳しくは以前のブログをご参照ください
https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/13105 他多数)
ワイヤー矯正を行うことで歯根を矯正的に引っ張っていく治療です。
しかし、注意点としては
一つ目に「治療期間がかかる」
3種類の治療法の中で一番治療期間がかかります。
エクストリュージョン後に周囲の歯肉を歯肉整形し、仮歯にて
歯肉が整うのを待った後に補綴処置へと移行するため、最短でも2ヶ月半から3ヶ月かかる治療
と言うようにお話をしております。
二つ目に「骨植のいい隣在歯がなければならない」
引っ張るための固定源がしっかりしていなければ垂直に歯を引っ張り上げることはできません。
インプラントアンカーがあれば別ですが、通常は隣在歯に固定源を求めますので
隣在歯を含めた診断が必要となります。
三つ目に「矯正治療中の清掃しにくさ、審美面」
MTM、部分矯正を行うため、矯正治療部分にはワイヤーをつけているために一時期ケアが
しにくくなります。
そのため、歯科衛生士によるケアや、ご自身でのできる限りのケアが必要となります。
ただし、やりすぎは矯正器具の破損につながるため、そのあんばいが難しいところです。
矯正治療中はワイヤーやそれを隠すために仮歯を作りますが、
やはり仮歯の厚ぼったさやワイヤーの突起はしばらくの間我慢してもらう必要がありますし、
審美的にも我慢してもらう必要があると思います。
ご時世柄、マスクをされている方も多くいらっしゃいますので、しばらくの間だけと説明し、
処置をさせていただいております。
将来的な外部吸収などのリスクも踏まえて患者さんと計画を立てることが重要だと考えます。
今回までで、フェルールを確保するために当院で行う3種類の治療法について
お話させていただきました。
以上の点を踏まえて、「じゃあ結局どれが一番いいの?」
について次回お話させていただきます。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・。