分割歯牙移植〜手術編〜 分割歯牙移植の実際
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回は前回までに引き続き、分割歯牙移植についてお話させていただきます。
前回までのブログで
https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/19166
で歯牙移植のオペ前の事前準備について、
https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/19170
で従来の歯牙移植の方法と当院が推奨する歯牙移植の方法について書かせていただきました。
今回から実際の分割歯牙移植の手術について書かせていただきます。
前回までで歯牙移植における事前準備を終え、幾度となくシミュレーションを行った後、
分割歯牙移植に臨みます。
今回の計画は左上の7番目の奥歯を抜歯後、左下5・6・7番目に移植をする予定です。
同側の手術のため、先に上下とも麻酔を行い、手術に入ります。
歯牙レプリカを使用しての歯牙移植のため移植床の形成から入ります。
歯の欠損部への移植床の作成の為、サージカルガイドを用いてドリルを向ける位置・角度・深さを
シミュレーション通りに進めていきます。
予定通りの形成ができたら、歯牙レプリカを試適して移植歯が入るスペースが確保できているか確認します。
すっぽり歯牙レプリカが入っていることがわかります。
ここまで形成が済めばいよいよ移植歯の抜歯です。
以前もブログで記載しましたが、虫歯により歯が薄く、歯根にも亀裂が入っている移植歯のため、
細心の注意を払い慎重に抜歯を行います。
抜歯をして、予定通り3分割をした状態がこちら。
上が歯牙レプリカ、下が移植歯です。
C Tのデータから切り出した3Dプリンターとそっくりな形なのが見てお分かりだと思います。
移植歯についた歯石等を除去し、再生療法のお薬を塗布し、移植床へ埋設していきます。
埋設後、移植歯に合わせて縫合します。
通常隣に固定源となる歯がある場合、医療用の接着剤にて固定を行うことが多いのですが、
今回の場合、一番奥に3本移植歯を入れたため、固定源となるものがありません。
そのため、矯正用のワイヤーにより固定を行いました。
このまま4週間ほど固定をした後、固定除去、動揺の評価をしていきます。
ここまでが分割歯牙移植の実際になります。
固定期間中は患者さんも私たちも祈るしかありません。
なるべく刺激をしないよう、歯ブラシの制限や患側での食事の制限をしてもらい固定期間を
過ごしてもらいます。
次回はこの後の経過について書かせていただきます。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・