分割歯牙移植〜手術編〜 従来法と当院推奨の歯牙移植の違いについて
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回は前回に引き続き、分割歯牙移植についてお話させていただきます。
前回のブログhttps://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/19166
で歯牙移植のオペ前の事前準備についてお話させていただきました。
今回からお話するのは分割歯牙移植手術編になります。
ここで実際の手術にお話を進める前に従来の歯牙移植の方法と当院で推奨している
歯牙移植の方法をご紹介します。
私の手作りのイラストのため、少し分かりづらいかもしれませんが、
その場合は当院youtubeでも解説していますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。
従来の歯牙移植の手術法について
https://www.youtube.com/watch?v=X4KKw6v-2PA&t=66s
通常の歯牙移植の場合、
保存不可能歯を抜歯後、感染病巣をしっかり除去します。
移植歯の抜歯を行い、移植床(移植歯を植える骨)の形態を、移植歯を用いながら整えます。
この時にしっかり入らなければ何度もドリルで調整していきます。
移植歯がしっかり入るのが確認できれば、そこで固定を行います。
4週間の固定後、動揺の評価等を行い、経過良好となれば根管治療、被せ物へと治療を進めていきます。
歯根未完成の幼弱な親知らずの歯牙移植の場合、根管治療が不要になることもありますが、
歯牙移植を行う多くの方は、歯根が完成した歯を歯牙移植に用いるため、
歯牙移植のための抜歯時に神経が死んでしまうため、移植後根管治療は必須となります。
一方、当院で推奨している歯牙移植の場合、
保存不可能歯の抜歯後、感染病巣をしっかり除去します。
その後移植歯を抜くことなく、先に歯牙レプリカを使用して、移植床の形成を終了します。
足場ができた状態で移植歯を抜歯し、必要に応じて再生療法を応用しながら、
移植歯を移植床へ移し、固定を行います。その後の流れは従来法と同様です。
すでに歯が欠損している骨の部分への移植もこれと同じように行います。
サージカルガイドを用いて、シミュレーション通りの位置・角度・深さにドリルで穴を掘り、
歯牙レプリカを当てがいながら移植床を形成していきます。
歯牙レプリカを使用した歯牙移植は移植歯になるべく負担をかけないために考えられた手法です。
・移植歯の抜歯から埋設するまでの時間の短縮
・移植歯を移植床に試し入れすることでの歯根表面の挫滅のリスク低減
これが歯牙移植の成功率に大きく関わると考えております。
それでは当院で推奨している歯牙移植の実際の内容については次回お話しさせていただきます。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・