こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

前回から歯牙移植症例集第8弾をお送りしています。

前回は根管治療編として歯牙移植後の根管充填を行うところまでについてお話していきました。

詳しくは前回のブログをご覧ください

歯牙移植症例集2022⑧〜準備編〜

歯牙移植症例集2002⑧〜準備編〜

歯牙移植症例集2022⑧〜手術編〜

歯牙移植症例集2002⑧〜手術編〜

歯牙移植症例集2022⑧〜固定除去編〜

https://heartful-konkan.com/blog/22440

歯牙移植症例集2022⑧〜根管治療編〜

https://heartful-konkan.com/blog/22465

 

今回は最終章〜最終補綴編〜

根管充填後の被せ物までをお話していきます。

 

まずは前回までの治療の流れについて振り返っていきましょう。

右上の7番目の歯を抜歯し、

右下の奥歯へ移植

4週間後に固定除去

ラバーダム防湿下での根管治療を行い、

根管充填まで行いました

ここまでが前回の流れになります。

 

ここまで来ればいよいよ噛めるようにしていきます。

根管治療中の歯の動揺により仮歯を入れていく時期を決定します。

 

動揺が見られる場合には根管充填を延期し、水酸化カルシウム療法といい、

根管の中に消毒のお薬である水酸化カルシウムを長期的に置いておくことで、

骨が回復しやすい環境のまま1〜2ヶ月置いておくこともありますが、

おおむね3〜4週間の期間で根管充填に切り替え、すぐ仮歯へと移行しております。

 

グラスファイバー製の土台を立て、形を整えながら仮歯を入れていきます。

右下の歯はこの移植歯しかないために、過度な負担は禁物です。

 

リハビリではないですが、仮歯でしっかりとバランスの良い噛み合わせを構築してから

最終的な被せ物へと移行していきます。

 

仮歯が入った状態

今回は1個手前の歯も一緒に治療ご希望だったため、

最終的な被せ物は手前の歯と共にバランスの取れた形で被せることになりました。

 

これが最終的な被せ物が入った状態です。

上顎の縦幅の広い移植歯を90°回転して横広にして移植しているため、

本来の形に比べると少し扁平な形の被せ物とっておりますが、

機能的に全く問題ありません。

 

横から見た状態ではこれが移植した歯とはわからないのではないでしょうか

 

術後2年以上経過しておりますが、何の違和感もなく、経過良好な歯として

定期検診にて維持管理させていただいております。

 

歯牙移植で命拾いした歯、これからも長く保っていってほしいと思います。

 

保存不可能と言われた場合、

もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません

抜いてしまうその前に一度ご相談ください。

 

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科