こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

前回から歯牙移植症例集第8弾をお送りしています。

前回は固定除去編として歯牙移植後の固定除去を行うところまでについてお話していきました。

詳しくは前回のブログをご覧ください

歯牙移植症例集2022⑧〜準備編〜

歯牙移植症例集2002⑧〜準備編〜

歯牙移植症例集2022⑧〜手術編〜

歯牙移植症例集2002⑧〜手術編〜

歯牙移植症例集2022⑧〜固定除去編〜

https://heartful-konkan.com/blog/22440

 

今回は〜根管治療編〜

固定除去後の根管治療までをお話していきます。

 

まずは前回までの治療の流れについて振り返っていきましょう。

右上の7番目の歯を抜歯し、

右下の一番奥の欠損部へ移植床の形成を行い、

移植、縫合と医療接着剤による固定を行い、

4週間後に固定除去

ここまでが前回の流れになります。

 

次に行うのが根管治療。

 

以前のブログでもお話しましたが、歯根完成歯の歯牙移植の場合、

移植歯を口腔外に摘出した時点で根管内の血行が遮断されてしまい、

失活(神経が死んでしまう)してしまいます。

そのため、移植後に感染を起こしてしまうと

歯周組織(歯肉や歯槽骨、歯根膜といった歯を支える組織)に悪影響となり、

結果生着不良を起こしたり、炎症により歯根吸収が起こってしまったりします。

そのため感染を起こす前に根管治療を行うといったわけです。

 

根管治療を行うタイミングに関しては様々で、術後すぐから根管治療を行うケースも少なくありません。

しかしあまり早い段階での根管治療は生着中の歯根に負荷をかけてしまう恐れもあるため、

当院では4週間後の固定除去のタイミングで根管治療へと移行していくこととしております。

 

根管治療を行う際には根管内に唾液が入らないように

ラバーダムやZ O Oといった防湿ができる環境にて根管治療を行います。

左がラバーダム 右がZ O O

今回のケースでは動揺の回復が早く、揺れも目立たなかったため、

ラバーダムを移植歯にかけて根管治療を行いました。

(動揺が残る場合、ラバーダムの留め具が歯に負担をかけるケースが

あるためZ O Oを使用するケースの方が多いです)

根管充填をした状態がこちら

 

この後は仮歯を入れ、噛み合わせの評価を行ったうえで最終的な被せ物へと

移行していきます。

 

次回はついに最終章〜最終補綴編〜をお送りします。

根管充填後の仮歯から最終補綴までをお話していきます。

 

保存不可能と言われた場合、

もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません

抜いてしまうその前に一度ご相談ください。

 

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科