こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

今回はエクストリュージョン症例集2022と題して歯根挺出術の治療の流れを

ご紹介させていただいています。

前回は術前の状態から実際の矯正器具の設置とその経過についてお話しました。

以前のブログはこちらから

エクストリュージョン症例集2022①〜準備編〜

エクストリュージョン症例集2022①〜準備編〜

エクストリュージョン症例集2022①〜矯正実践編〜

エクストリュージョン症例集2022①〜矯正実践編〜

今回は矯正治療後の手術編についてお話します。

前回までで8週間(2クール)ゴム交換を行いながら歯根を挺出してきました。

術前の写真がこちら

8週間ゴムで牽引して仮歯を除去した状態がこちら

歯肉の位置が変わっているのがわかると思います。

エクストリュージョン(歯根挺出術)は器用に歯根だけ引っ張れることはなく、

歯肉も一緒に牽引されるため、今のままでは被せ物を入れることができません。

歯肉整形術により歯肉を元の高さに戻すことが必要です。

しかしただ歯肉を切るだけでは矯正後の後戻りによって歯が沈んでいってしまいます。

歯肉を整えるのと同時に歯肉繊維を整え、歯根が後戻りにより沈んでいってしまうのを

防ぎます。

あと忘れてはならないのは、今回のケースは一部歯根破折を起こした歯根のため、

矯正で引っ張り終えるまでは残していた破折片を除去することも忘れてはなりません。

 

破折片の除去をし、歯肉を元の位置まで整形します。

仮歯を入れた状態がこちら

縫合した糸は2週間を目安に抜糸します。

糸を取った時の状態がこちら

ここまで来るとこの歯が引っ張った歯なのかどうかはわかりませんよね。

衛生士さんにケアをしてもらい、ご自身でのケアが十分にできるようになれば

最終的な被せ物へ移行します。

次回は最終章、最終補綴編をお話します。

保存不可能と言われた場合、

もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません。

抜いてしまうその前に一度ご相談ください。

あなたの歯が1本でも多く残りますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科