エクストリュージョン症例集2022①〜矯正実践編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回から、エクストリュージョン症例集2022と題して歯根挺出術の治療の流れを
ご紹介させていただいています。
前回は術前の状態からエクストリュージョンを計画するところまで
お話しました
以前のブログはこちらから
エクストリュージョン症例集2022①〜準備編〜
今回は矯正実践編
前回お話したように、歯根に破折線が入ってしまっていますが、破折片を先に除去してしまえば、
矯正器具の接着操作が煩雑になってしまうため、
矯正終了までこのままの状態で治療を進めていきます。
歯を引っ張るための矯正用のフックを歯根に取り付け
隣の歯へ連結した仮歯を取り付けます
このお写真なんか変な感じしませんか?
フロスのようなゴム紐が歯の裏側から垂れています。
裏面はこんな感じです
隣在歯に渡る仮歯には矯正用のワイヤーが組み込まれており、
そこへ矯正用フックからゴム紐を結んでかけています。
逆バンジージャンプのように矯正用のワイヤーが固定源となり
そこに向けて歯根が挺出してくるという矯正方法となります。
前歯部のためマスク生活とはいえ極力審美的に困りにくいように
技工士さんに仮歯を作ってもらいながらこのように矯正治療を行なっています。
この状態で4週間に1度ゴム交換を行っていきます。
4週間経った状態がこちら
あれ?仮歯の根元が短くなっています。
この状態の仮歯を作りながら矯正治療を行なっていくと、
挺出してきた歯根が仮歯に当たってしまいそれ以上動けなくなってしまいます。
そのため4週間に1度ゴム交換と一緒に仮歯の干渉してしまっているところを削合しながら経過を見ることにしています。
見た目的には少し悪くなってしまいますが順調に引っ張れている証拠です。
もう4週間引っ張った状態がこちら
歯も歯肉もさらに引っ張られているのがわかります。
ここまで来れば矯正治療終了です。
次回以降は仮歯が入るように
歯肉を整形していきます。
次回は矯正治療後の手術編をお話します。
保存不可能と言われた場合、
もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません。
抜いてしまうその前に一度ご相談ください。
あなたの歯が1本でも多く残りますように