お互いのストレスなく患者さんと同じ目線で~コミュニケーション技法 PMI①(Periodontal Motivational Interviewing)
こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 歯科医師 小坂井 竜也と申します。
今回は、歯科医院のスタッフと患者さんとのコミュニケーションのお話をしていこうと思います。
患者さん自身は歯科医院のスタッフとお話をすると、このように思うことがあります。
「こちらの話をきいてくれない!」「押し付けられている!」「しかられている!」「わかっちゃいるけど・・・」「ちゃんとみがいてるのに!」
と、歯科医院側に感じることがあるようです。
歯科医院側は、「説明していたらいきなり怒り始めた!」「歯磨きの仕方教えてもぜんぜん改善しない」
「いくら話しても無視されてる気がする・・・」
これらは、お互いのコミュニケーションの不協和から生じているものです。
コミュニケーション・・・人間の悩み事の全ては対人関係という話もあるよう一生かかわる問題です。
決まった答えがなく、人によって対応を考えないとならないから、難しい問題なのです。
話は変わって歯周病とコミュニケーションのお話です。
歯周病の基本的な治療は何があるでしょう?手技でいえばSRP、PMTC、咬合調整、抜歯などがあります。
コミュニケーションでいえば、ブラッシングや生活指導などがあります。
そのなかで治療の成功の為の比率は何パーセントくらいでしょうか?
技術半分、コミュニケーション半分 そのように思う方が患者さんも医療従事者も多かったのです!
正解は80パーセントが「コミュニケーション」 20パーセントが「手技」なんです!
なぜなら、歯周病治療の成功とは「歯肉縁上プラークのコントロール」つまりは、日常の歯磨きが必要不可欠なのです!
プラーク(細菌の塊)は毎日、口腔内にできるものですので、いくらPMTC、SPRなどで歯にプラークを付きにくくしたり、清掃しやすくしても、日々の歯磨きができないと意味がありません。
逆に、自分自身でブラッシングが上手にできれば80パーセントは自分の力で歯周病を治すことができるのです!
つまりは、歯周病における衛生士、歯科医師の大部分の仕事は「患者さんが自分自身を知り、自分自身で治せる力があることを知ってもらうこと」と言えるでしょのです。
これは、言葉では簡単に言えますが、実行できる患者さん及び歯科医院は多くはありません。
なぜなら、患者さんが「自発的」に自宅でのプラークコントロールや生活指導改善が必須なため、歯科医院サイドからの所謂、「指導」だけでは、絶対に患者さんはついてこれません。指導だけでは最初に記載した通りの感想になりますよね・・・
そこを解決するのが、患者さんと歯科医院をつなぐ「コミュニケーション」なのです。
逆を言えば、歯周病はコミュニケーションなしでは絶対に治せないという事実を受け止めなくてはなりません。
歯周病を治すためにも、歯科医業に関わるものとして、ひいては人生を豊かなものにするために、コミュニケーション技法を学んでいく必要があるのです!
次回は、医療、特に歯周病分野でのコミュニケーション技法をお話ししていきます。
全ては患者さんのために!