こんちには!ハートフル総合歯科グループ 小坂井竜也です。

前回は歯肉の上に歯質(フェルール)があることの大切さをお話していきました。

痛くないのに抜歯!?①必要な歯質、フェルールについて

今回は、歯質のない歯、つまりフェルールの無い歯を救う方法についてお話をします。

前回の最後にお話した治療方法をおさらいしていきます。

1、Extrusion (挺出術:矯正治療のひとつ。歯を引き上げる)[MTM]

2、 Crown lengthening(歯冠長延長術:歯ぐきの位置を下げる)[APF]、

3、1,2の組み合わせ

これらに関する治療の詳細や条件について説明をしていきます。

ではまず、

1、Extrusion (エクストリュージョン)[MTM]についてのおはなしです。

この処置はいわゆる部分矯正の一つで、簡単に言えば歯を歯茎より上に引っ張り上げる役目を果たします。

前後の歯にワイヤーを接着し、歯肉に埋まった歯にフックを接着して、ゴムでゆっくり1.5〜2ヶ月引っ張り上げます。

利点は

1、前歯、奥歯でも適応が可能なことが挙げられます。

2、侵襲が少ないこと。

欠点は、

1、治療中は、ワイヤー設置箇所で食事をなるべく避けていただくこと。

2、ワイヤーの異物感があること。

です。

歯がしっかり動いたら、土台を立てて仮歯にして歯の骨の安定を待って本番の歯にします。

 

2つ目 Crown lengthening(歯冠長延長術:歯ぐきの位置を下げる)[APF]です。

    

歯の周りの骨をトリミングして、歯肉を下げる処置です。

利点は、

1、治療期間が短い(オペ自体は1回)

2、侵襲もそこまで多くない

欠点は

1、適応範囲が少ない(前歯だと見た目が悪くなる、深く埋まりすぎると適応外)

2、外科処置なので基礎疾患のある患者には向かない

ことが挙げられます。

 

3つめは1と2の組み合わせです。

実は、1をした後は歯が引っ張られていくのと同時に骨、歯肉も出来てくるので、2も併用することが多いです。

でも増えてた分をトリミングするだけなので、1のMTMをしないで2のAPFをするより非常に侵襲は少ないのです。

これらを踏まえて理想的な治療は3のMTMとAPFの併用が良いかと考えられます。

これらのケースは歯根がある程度の長さがないと難しかったり、噛み合わせの難しい方だと適応外になってしまうこともありますので、気になる方は、お気軽にご相談ください!

(ちなみにもう一つ治療方法があるのですが、それは別の機会で実際のケースを踏まえて説明します。)

ここまでお話しさせて頂いたのですが、実際に見てみないとわからないという方も多いと思うので、

次回は、3のMTM、APFの組み合わせの実際のケースをご紹介します。

なお、これらの治療方法はすべての歯が適応というわけではなく、いずれも自費治療になりますのご不明な点がございましたら、お気軽にお声掛けください。

 

全ては患者さんのために!

医療法人社団徹心会ハートフル歯科