こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。

今回は歯周病治療がなぜ難しいのか?について書かせて頂きます。

以前に書かせて頂いたように歯周病は細菌(歯垢、デンタルプラーク=バイオフィルム)が原因です。そのためには毎日の正しい歯磨きや定期的な歯科医院への受診でのバイオフィルム除去は歯周病治療にはかかせません。以上のことが前提でないとよりよい歯周病治療結果は難しいと思います。

次に、今回の本題の歯周病治療が難しいことについてです。
歯周病になった歯の汚れを除去する事が難しい原因はこちらの論文に載っています。→Stambaugh RV, DragooM, Smith DM, Carasali L:The limits of subgingival scaling.1981
この論文ですと、3.73mm以上の歯周ポケットがあると歯の根っこに付着した汚れ(デンタルプラークや歯石など)を完全に除去することが難しいと報告されています。
つまり歯周ポケットが約4mm以上になると汚れを完全に除去することは非常に困難ということです。歯周病は細菌感染のため汚れを除去できなければ歯周病の改善は難しいです。

しかし、お口の中は狭くて暗いため肉眼やテレビの医療ドラマでの手術のシーンでも登場する拡大鏡(ルーペ)を使用しても、根っこに付着している汚れを確認して除去することが非常に困難です。

そこで、なるべく歯を抜かない治療を行うために手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を応用して歯周病治療を行っています。

お口の中は暗くて狭いので歯周病になった歯の根っこに付着している汚れを確認することはとても難しいです。そのため、従来の歯周病治療と比べて手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使って、明るく拡大することで安全で正確に根っこに付着した汚れを確認し、除去します。


手術用顕微鏡(マイクロスコープ)で有名な秋山勝彦先生がご考案されたマイクロエンドスコーピックテクニック(手術用顕微鏡の可動域の大きい特性を応用して口腔内を直接確認する直視を最大限に利用して、ミラーを使用してミラー越しに口腔内を確認するミラーテクニックを最小限に使用するテクニック)と専用の器具を使って、部分麻酔をして歯と歯肉の隙間から根っこに付着した汚れを確認します。

緑色い点線は根っこに付着した汚れです。最小倍率3.4倍〜最大倍率21.3倍を使用して確認します。手術用顕微鏡下で確認後に根っこに付着した汚れを除去します。除去後確認、汚れを除去後はととてもキレイです(黄色の点線)。
肉眼ではなかなか見えない汚れです。とても驚きです。
ご興味のあります方はお声がけ頂ければ幸いです。
なるべく歯を残すために精進していきたいと思います。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史

医療法人社団徹心会ハートフル歯科