こんにちは!ハートフル歯科総合グループ 小坂井竜也です。

患者さんの中には、他院で歯を抜く必要があると言われて、

セカンドオピニオンで当院に来院される方が多くいます。

原因は様々ですが、そのうちの一つに、痛みがないのに歯を抜かなくてはならないと

言われたパターンが多くあります。

このケースは、いわゆる被せ物が取れてから歯科医院に来院して診断されるケースが多いようです。

実際にはこのような状態の方が多いのです。いわゆる

「歯肉の上に歯がない状態」

「歯肉に歯が埋もれてしまっている状態」

の可能性が高いのです。

この状態は診断でいう、根っこだけ残るC4(残根)という状態となります。

 

このC4の状態は抜歯の適応になります。

根っこがちゃんと残っているなら、上の方を作れば全然大丈夫じゃないか!

痛くもないんだし、おかしいよ!と昔、患者さんがおっしゃられたこともあります・・・

しかし、抜歯になる明確な理由が、この根っこだけ残った状態に存在するのです。

本来ならば歯の土台を立てて、被せ物を被せていきます。

歯肉の上に1mm以上の歯質があれば、被せ物が歯を抱え込むことができるので、

歯としての機能を果たすことができます。

これをフェルール(帯環)効果といいます!

しかし、このように歯肉の上に歯がないと、土台を立てて被せ物をしても

被せ物で歯を抱え込む状態が作れないのです。

こうなるとどうなるか?

1、歯に力がかかりやすくなり、根っこが割れてしまう(破折)

2、土台ごと力に負けて外れやすくなる(脱離)

3、歯肉の奥に人工物が入るので歯茎に炎症が起こりやすい(歯周病)

こうなると、歯としての機能を果たさず、菌の感染源となるので

「抜歯」

という判断になるのです・・・

歯質がなければ、痛くない歯でもあきらめなきゃならないのか・・・

じつはこのような歯でも延命を期待できる方法があります!

全ての歯が適応ではなく、条件がありますが、

それは

1、Extrusion (挺出術:矯正治療のひとつ。歯を引き上げる)[MTM]

2、 Crown lengthening(歯冠長延長術:歯ぐきの位置を下げる)[APF]、

3、1,2の組み合わせ

という方法になります。

1,2,3はすべて前述した歯肉の上の歯質(フェルール)を獲得する為の処置になります。

この処置や条件に関しては次回のブログにて詳しく書かせて頂きます。

まとめになります。

今回は、歯肉の上に歯がないと、被せ物をしても

割れる、外れる、歯周病になりやすいので

抜かなくてはならない歯という診断になってしまうことを説明していきました!

次回は、そのような歯を延命していくためのMTM、APFについてお話していきます。

 

全ては患者さんのために!

医療法人社団徹心会ハートフル歯科