口腔外接着(再植法)の選択基準とは
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回は「保存的治療」の中の接着治療である口腔内接着法(直接法)について書かせていただきました。
以前のブログはこちら
口腔内接着法(直接法)シリーズ
診断編 https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/13389
手術編 https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/13401
治療編 https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/13422
次回から診断編、手術編、治療編とシリーズ化して「保存的治療」の中の接着治療である口腔外接着(再植法)についてお話させていただきます。
その前によく質問される口腔内接着(直接法)と口腔外接着(再植法)の選択基準についてお話します。
接着治療の分類として
・口腔内接着法(直接法)
・口腔外接着(再植法)
があるのは以前お話しました。
(「保存的治療」の中の接着治療についてhttps://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/13382)
その中で、極力直接法で済むものに関しては直接法でお話をしております。それは再植法(口腔外接着)の術中・術後にリスクが生じるからです。
それはなぜか?
術中のリスクとして考えられるものは歯根のさらなる破折です。歯根破折を起こした歯は歯質がすでに薄くなっているか、もしくは割れまで行かなくても無数の亀裂が生じている可能性があります。そういった歯を再植(一度歯を抜いて口腔外で接着)する際、抜歯時に
破折を加えてしまう恐れがあるからです。戻るような破折ならいいですが、粉々になってしまっては接着しようがありません。
また術後のリスクとして考えられるのは組織の回復です。一度口腔外に引き剥がされた細胞(歯根膜)が元の位置に戻したとき、100%生着するわけではありません。
移植のブログ(歯牙移植の制限時間とはhttps://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/13323)でも書かせていただきましたが、抜歯をする際に歯根膜の損傷により生着できなくなってしまうリスクがあります。また口腔外でいつまでも処置ができるわけではありません。一般的に20分以内に口腔内に戻してあげなければ歯根膜の再生率が低下すると言われています。
移植・再植は術後の経過が不安定なため、多く担当させていただいてはおりますが、決して第一選択に選んでいる治療ではありません。その中でやはり口腔外接着法(再植法)でないと治せない症例というものもやはりあります。
そういった症例について次回から診断編・手術編・治療編と分けてご紹介します。
当院Youtubeでも公開しております。
動画の方も是非ご覧ください!
「歯が割れてしまった〜接着治療による破折歯の治療〜
「歯が真っ二つに割れてしまった・・・その歯もしかしたら救えるかもしれません!口腔外接着(再植法)を解説します!!」