20年ほど昔から来て下さる患者さんがいます。
ハートフル歯科は、15年の歴史なので開業前から。要は勤務医の頃から見せていただいている患者さんです。
以前の勤務先の院長が、その方が三鷹に転勤になった事を機に
「あいつのところに行ってやってくれ。」
と紹介して頂きそれ以来、見せてもらっている思い入れのある患者さんです。

もういつ入れたのでしょうか?
むか〜しむかし、10年以上前に僕がセットしたブリッジを支えている歯が痛いと言われました。

ブリッジだけに、やっばり。という感じです。3本の歯を2本で支えるブリッジは、単純に1.5倍の力がかかります。無理がたたると破折してしまいます。

真ん中の歯の左側が、薄ら黒くなってなっています。
そう、このレントゲンは、歯根破折の特徴です。
「割れたなぁ。」と心で叫びながら接着治療の説明をしました。
患者さんは接着治療を希望されました。

「ブリッジを支えている歯が割れてきました。」
治療計画としては、破折歯を直しても、ブリッジの支台としての強度が出ません。という事で、真ん中の歯のないところには、インプラントを説明しました。
破折歯を、救いたい!
噛み合わせの強度を補強する必要がありました。

今回の治療計画は、接着治療&インプラント治療です。

抜歯すると、見事に真っ二つになっていました。

それをスーパーバンドで接着して、その場ですぐに抜いた穴に戻します。手早い作業が求められます。
それを縫って固定します。
注意:正常な歯根膜の再生を期待して歯は、ガチガチに接着剤で固めません。

再植後のレントゲンです。一応おさまっています。

1ヶ月後に、グラグラも止まってきていることを確認した後、真ん中に、インプラントを入れました。
その3ヶ月後、両方ともしっかり骨についてきました。

無理な力をかけることはなくなり、元破折歯の噛み合わせは、優しく。インプラントは、ガッチリと嚙めるような咬合調整を行いました。

後ろの歯は、予算の都合と、対合歯(噛み合わせの歯)がないので銀歯にしました。

「今日から左側でしっかりと噛めそうだ!」と、ご機嫌で帰られました。

なんでもかんでも接着治療可能とはいきません。骨が残っていて、「噛み合わせの力のバランス」を考慮した上で、治療計画の選択肢として接着治療は、有効です!

抜歯と言われた方には、一度 拝見させて下さい。
もしかして、保存の選択肢があるかもしれませんよ?

 

―お願い―
セカンドオピニオンや転院を希望される方にお知らせします。
強引な初診の予約をされても、相談の時間は取れません。ドクターと治療や相談の予約時間は、30分1枠で行っております。応急対応という形で予約を取られた場合は、10分以下の応急処置の時間しか取れません。(元から予約されていた方たちの合間に診させていただく形になります。)電話予約の際に、必ず説明してもらっています。
それを指して、怒ったりしないでください。
逆に予約を事前に取っている方の身にもなってください。その方の「予約している時間」を削ることになります。

多くの方の歯を救いたい!
私達は、真摯な治療を目指して日々研鑽を積んでおります。
しかし、限られた診療時間の中で、お互いに家族との時間も含めて「時間を大切」にしています。
予約制であることも理解して下さい。

破折歯を救う!

接着治療により、多くの方に福音をもたらせることを願っています。
全ては、患者さんの笑顔の為に・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科