エクストリュージョンの症例集2021①〜矯正経過編〜
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回は前回までに引き続き、エクストリュージョン(歯根挺出術)についてお話させていただきます。
前回までのブログで
https://heartful-konkan.com/blog/19271
エクストリュージョンの実践編と題して矯正器具の実際の取り付けの流れと矯正中の注意事項についてお話させていただきました。
今回は矯正経過編。矯正中の流れについてお話します。
前回矯正用のゴムをつけた状態がこちら。
ここから4週間経過するとこちら
歯が移動してきているのが、あまりはっきりわかりづらいかもしれません。
これは周りの歯茎も歯根と一緒に引っ張られて動いてきているからです。
正面からの写真をご覧ください。
仮歯と歯根の隙間がなくなってきているのがわかると思います。
このままだと仮歯がストッパーの役割を果たしてしまい、これ以上歯根を引っ張ることができません。
そのため、笑った時などになるべく目立たない範囲で仮歯の根元を削ります。
これでゴム交換を行い、再度3〜4週間待ちます。
その状態がこちら。
裏側から見てもはっきり歯が動いているのがわかりますね。
フックとワイヤーもくっついているのがわかります。
ここまでくれば矯正処置終了です。
この方の場合、約2ヶ月でエクストリュージョンの処置は終了しました。
ただ見てください。
先ほどお話したように、歯茎の位置の不一致が起こっているのがわかりますか?
歯根を引っ張ったことで、周りの歯茎も引っ張られています。
このまま被せ物に進めてしまえば左右非対称の歯になってしまいます。
また後戻りも考えなければなりません。
矯正処置後は全顎矯正であっても、このような部分矯正であっても、動かした後は後戻りに注意が必要です。今回の場合は引っ張った分、引っ込んでしまう可能性があるのです。
今後必要となる処置は歯茎の位置を元あった歯茎の位置に戻す歯肉整形術が必要となります。これにより後戻りの防止と歯茎のラインをなるべく合わせていきます。
次回はそちらの手術についてお話させていただいきます。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・