エクストリュージョンの症例集2021①〜手術編〜
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回は前回までに引き続き、エクストリュージョン(歯根挺出術)についてお話させていただきます。
前回までのブログで
https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/19281
エクストリュージョンの矯正経過編と題して実際のエクストリュージョン(歯根挺出術)による歯根の動きについてお話させていただきました。
今回は手術編。エクストリュージョン後の歯肉整形術についてお話します。
まず前回の矯正終了時写真がこちら
矯正用ワイヤーと矯正用フックがくっついている状態、また歯茎の位置の不一致がお分かりになるかと思います。
これはエクストリュージョンスタートの位置から歯根の挺出とともに歯茎が引っ張られた為に起こるものです。
このままでは歯根の矯正後の後戻り、被せ物の歯茎のラインの不一致が起こってしまいます。
そこでこの
・歯根の後戻りの防止
・歯茎のラインの不一致の解消
のために歯肉整形術を行います。
内容は歯茎を開き、歯根周囲の歯肉繊維を切離するというもの。
外科処置の内容のため、ブログでは写真を割愛させていただきますが、外科処置後のお写真がこちら。
出血があるためモノクロの写真にさせていただいていますが、歯茎のラインが一致しているのがお分かりになるかと思います。
しかしこのままでは歯茎は元に戻ろうとしますので、即時仮歯を製作し、歯茎が今の位置で落ち着くようにします。
それがこちら。
この状態で2週間ほど治癒を待ちます。
術後1週間は縫合した糸がほつれないように、傷口が開かないように歯ブラシを控えてもらっています。1週間後の消毒時に傷口のチェックと歯ブラシの再開をしてもらっています。
矯正処置をすると全顎矯正もそうですが、一時歯の動揺がみられます。
エクストリュージョンも同じです。
歯肉整形を行って抜糸後は、この歯の揺れの回復を待ってから最終的な被せ物へと移行していきます。
身体の回復を待ってからの治療が望ましいのでここで焦っても意味がありません。
1ヶ月ほど様子を見る方もおられれば、抜糸後1〜2週間で被せ物に移行できる方もおられます。これは歯根の太さ・長さ、矯正時にかけた矯正力によっても違うと考えております。
次回はこの揺れの回復後の被せ物についてお話させていただきます。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・