こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

今回は歯牙移植の手術後の治療の流れについてお話します。

歯牙移植についての記事は以前からブログやYoutubeにU Pしていますので、

そちらをご覧ください。

https://heartful-konkan.com/tag/dr-野田/

移植手術を従来法やレプリカ法を用いて行った後、

固定期間を経て根管治療、被せ物の治療へと進みます。

 

 

今回は移植後の固定についてお話します。

 

移植直後は当たり前ですが歯はグラグラです。

骨に穴を掘って移植歯を植えるだけですからグラグラするのは当然ですよね。

写真のように

縫合の糸をたすき掛けにして歯の動揺を最小限に抑え、

 

その上からスーパーボンドと呼ばれる医療用接着剤で固定をしています。

 

 

これは以前、破折歯における接着治療について眞坂信夫先生のセミナーを受講した際に、

学んだ手法で、M S Bパック(眞坂式スーパーボンドパック)と呼ばれ、

手術後の傷口を保護し、隣在歯に固定する役目を果たしています。

「歯をしっかり固定したい」「傷口を清潔に保ちたい」

歯牙移植の手術後はどちらも求められるため、接着治療のこの方式を導入しております。

 

周りの組織の回復を考えると、4週間を一つの目安として固定期間を設けています。

手術後4週間は固定のために縫合糸や接着剤の煩わしさがあると思いますが、これも移植歯の生着のため。

汚れが溜まりやすいため、歯科衛生士さんにきれいに保ってもらいながら経過をみていきます。

 

 

4週間後に固定を除去し、動揺度の診断を行います。

もちろん生体の回復の結果により固定を外した時の揺れの程度は異なります。

保存不可能歯による炎症が大きかった場合は揺れがある程度残るケースが考えられます。

その場合は再度固定を行い、歯根の負担を最小限にして2週間後にもう一度チェックを行います。

 

固定を除去するその日まで、接着剤の下は歯ブラシが届きません。

当然固定を除去した直後は歯磨きで出血が出やすかったり、歯肉が凸凹していたり。

まだこれから治癒していく段階です。

 

優先すべき大切なことは表面の治癒ではなく、骨の回復、歯根膜の回復です。

その期間である4週間はしっかり経過をみていく必要があるので縫合糸がほつれたり、

接着剤が浮いてきてしまったりがあればすぐに対応ができるよう、

事前にお伝えしています。その間にご旅行に行ったり、お忙しくてご来院ができないことがないよう、お願いをしています。

 

 

周りの歯肉もだいぶキレイになってきましたね。

固定が終わればいよいよ根管治療に移ります。

次回は移植後の根管治療についてお話いたします。

 

あなたの歯が1本でも多く残せますように。。。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科