歯を抜くと言われてしまった!被せ物が取れる、虫歯が大きい歯・・・救う方法はあるのか!? 〜症例編②〜
こんにちは!ハートフル総合歯科グループ歯科医師 小坂井 竜也です。
前回は、フェルールのない歯を救うMTM、APFの実際の症例をご紹介いたしました!
今回はその後の治療をCADCAMを用いて1DAYトリートメントでおこなったお話と、
今回の歯肉に埋まってしまった話のブログの流れで一番お伝えしたいことをお話していきます。
仮歯にして一ヵ月後、歯肉は安定しています。
しかし、セラミックを作っていくには受け手の土台側に厚みが足りず、
境目のフィットも良くない状態なので、整える必要があります。
まず、歯と歯肉の境目に圧排糸という糸を巻いていきます。
歯肉と歯の境界を明瞭にして、削って整えていかない部分はっきりとさせます。
セラミックの厚みを取っていき、滑らかに仕上げます。
チェックして問題なければ、口腔内スキャナーで撮影です。
型取り不要で、セラミックを作成することができます。
削った歯を自分で、いろいろな角度でチェックできるので、即座に修正することが可能です。
撮影が終わったら技工士の方とダブルチェックしていきます。
問題なければコンピュータ上の模型でセラミックを設計し、ミリングでセラミックのブロックを削りだして作成します。前歯なら大体20分前後で作成が終わります。
出来上がったら仕上げの研磨をします。
作成したセラミックを試適していきます。
土台や歯肉の適合は無調整でぴったりでした!
糸を再び歯肉の周りに巻いて、セラミックの接着する面を明示します。
これは、セラミックとの接着力を上げ、境目を目立たなくするために必須の作業となります。
セラミックに歯と接着しやすくする処置を行っている間に、歯自体に付着している唾液、滲出液、出血からの汚染を除去するクリーニングを行います。
ボンディング処理といって、歯とセラミックを接着させるセメントへの接着力を持たせる為に行います。
これらの処理が終わったら、セラミックと歯の接着に入ります。
もちろん、防湿中です。今回はZOOという器具を使用しております。
セメントを過不足なく使用していきます。
あまったセメントを可及的に除去したら、圧排糸を丁寧に外していきます。
圧排糸には、余分なセメントが歯肉の下に入り込むのを防ぐ効果もあるのです。
セラミックに空気を遮断するコーティングを行ったら、光をあてて、セメントを固めていきます。
しっかり光を当てて固まった、余分なセメントを除去し、噛み合わせの調整をおこないました。
セット当日で多少の出血もありますが、適合はばっちりで歯の揺れもほとんどありません。
このことから経過は非常に良好といえるでしょう!
これでこの症例は終わりになります!
患者さんは非常によろこんでくださいました!
次回は、歯肉のない歯を救う!という話のまとめと、今回私が一番お伝えしたいことをお話します。
全ては患者さんのために!