こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

前回、「歯牙移植の成功率」についてお話をしました。

歯牙移植の成功率について Youtubeリンク第2弾

インプラントに比べると歯牙移植の成功率は6〜7%ほど劣るとされていますが、

(ドナー歯の状態や受容床の状態により成功率は異なります)

それではなぜ、成功率を落としてまでオススメするのかについてお話します。

なぜそこまでして歯牙移植を勧めるのか?

 

歯牙移植を勧める理由・・・それは

 「歯根膜」

があるからです

歯根膜とは歯と骨の間に存在する歯の靭帯です。

生体にしかないものなのでもちろんインプラント治療には存在しません。

その歯根膜の働きとは・・・?

 

歯根膜の働きとは

①歯と歯槽骨を強固に結びつける

②歯根膜には触覚や痛覚といった感覚があるため、噛んだ時の硬さや微妙な感触、

刺激を感知して脳に伝えます。このセンサーのような働きによって、硬いものや柔らかいものを

食べる時に噛む力を調節することができます。

③感覚受容器の働きにより食事の時、様々な方向から加わる力を

上手く逃して、過剰な力が歯に加わるのを防ぐ免振機能の役割をしています。

 

要するに・・・

「歯根膜」=「噛みごたえ」

なのです。

 

髪の毛一本でもわかったり、海苔のパリッという感覚やお肉の食感など

歯根膜の働きにより感じているのです。

インプラントには残念ながらこうした感覚受容器が存在しないため、

「噛みごたえ」という点では天然歯には敵いません。

 

だからこそ歯牙移植をお勧めしているのです

 

もうひとつ歯牙移植を成功できるかどうかの大きなキーワードとして

「18分」というものがあります。

これは歯根膜が乾燥に耐えられる時間、つまりドナー歯を抜いてから受容床に植え替えるまでの

口腔外で作業できる制限時間といったところです。この時間を超えてしまうと移植後の歯根膜の

生存率つまり成功率がガクッと下がってしまうわけです。

 

この「18分」を守るべく、事前準備をしっかり行い、複雑な術式をいかに簡略化するかが

成功率をより高めるものだと考えております。

 

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

 

医療法人社団徹心会ハートフル歯科