歯牙移植の成功率について Youtubeリンク第2弾
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田と申します。
前回はYoutubeリンク第1弾として「歯牙移植とは」をお話させていただきました。
今回は「歯牙移植の成功率」についてお話します。
歯牙移植の成功率はどれくらいか?とよく質問されることがあります。
歯牙移植とインプラント治療は術式や治癒経過が似ているためによく比較されることがありますが、
インプラントの治療は規格化されたドリルと
規格化されたインプラント体のためしっかりと段階を踏んで
治療をすれば早期に脱落してしまうことはほとんどないでしょう。
術後はインプラントの表面性状により骨とインプラントの結合を待つことになります。
手術範囲(骨を削る量)もインプラント体分で済むのでせいぜい幅6mm前後、長さ10mm前後
といったところでしょう。
一方、歯牙移植は
インプラント治療と異なり、ドナー歯の歯根の形は千差万別。
一人の人間でも親知らずを含めた32本同じ形は1本もありません。
そのため規格化されたドリルというものはなく、ドナー歯が入るだけ
穴を掘ってそこにドナー歯を入れて隣在歯に固定するといった術式です
術後は歯根膜という組織の再生機能によって骨の再生を誘導していくのを待つことになります。
削る量もインプラントに比べてやや大きくなる傾向があります。
インプラントに関しては
インプラント体のサイズが規格化されていることや、
インプラント手術の術式に関しても大きく変わらないことから
インプラント体によって予後が左右されることはほとんどありません。
インプラントの成功率は約97%ほどと言われています。
(インプラントメーカー、ストローマン HPより)
歯牙移植に関しては
ドナー歯の歯根膜の状態に左右されることが多く、一般的に成功率は
5年生存率で90.1%(2011年救歯会)、93.5%(2003年東北大学)
との発表があります。
全てのケースで同じドナー歯の形態ではないため、
また術式も異なるために一つの目安にしていただければと思いますが、やはりインプラントと比べると成功率に劣ることが多少あるようです。
それではなぜそこまでして歯牙移植を勧めるのか?
次回はそこに焦点を絞ってお話したいと思います!