こんにちは!ハートフル歯科総合グループ 歯科医師 小坂井 竜也です。

前回に引き続き、被せ物が取れる、虫歯が大きい歯によく共通する

歯肉のなかに歯が埋まってしまっている状態、つまりはフェルールがない歯についてのお話です。

かぶせ物が歯質を抱え込んで、噛む力に抵抗するためにフェルールが必要なことは、前回のブログでお話しました。

歯を抜くと言われてしまった!被せ物が取れる、虫歯が大きい歯・・・救う方法はあるのか!? 〜説明編①〜

今回は、フェルールがないことによって起こる弊害について、また、保存不可能になる理由をおはなししていきます。

まず、一つ目の弊害は

①歯が土台ごと、取れやすくなることです。

フェルール効果がない為、横の力の揺さぶりがかかると、抵抗する歯質の壁がない為、耐えられず土台と被せ物

ごと取れてしまうのです。脱離を頻発しているならかなりの可能性でこれが考えられます。

②歯根破折

これも同じく。横の力に耐えられないので、特に土台が金属のもので長くて太いものだとひびはいり、土台を支えている歯根に直接割れて開くような力が加わるので根っこが割れてしまうのです。

こうなると基本的に割れたところから感染が起こるので保存は難しくなっていきます・・・(延命の意味で接着治療の選択肢はある)

③歯周病

歯肉のしたにすぐ被せ物がくるので、くっつける為のセメントが歯肉に触れやすいこと、そもそも汚れがつきやすい形態になってしまうこと、揺さぶられると、歯質の受けがないので歯肉に直接ダメージが加わることが上げられます。

そうすると歯肉には慢性的に炎症をかかえた状態になってしまうのです・・・

 

①②③がフェルールの無い歯に起きる主たる弊害です。

そして、フェルールの無い歯を被せ物、土台がとれたまま放置するとどうなるか、ということをおはなしします。

痛みもないし、抜くかもしれないから歯医者さんにいくのもいやだなぁ・・・と思ってしまう方もいるかもしれません。

でも、それが大きいワナなのです!

その歯を放置することは、汚れがつきやすい状態が続くので、その歯自体が菌の感染源になってしまい、歯肉が腫れたり、虫歯の進行したり、もともとあった病巣が大きくなってしまうこともあります。

そのことにより、もしかしたら救えるかもしれなかった歯がだめになってしまうかもしれません!

歯科医師としてそのことが一番残念な事だと私は思います・・・

 

だから、被せ物がとれたら早めに歯科医院に診療を受けていただきたいのです!

 

さて、私は先ほど【救えるかもしれない】、とお話しました。

そう、結論を言ってしまえば、

そのようなフェルールの無い歯肉に埋まってしまった歯を救う手立てはあるのです!

次回はその具体的な方法をご紹介いたします。

 

すべては患者さんのために!

 

 

医療法人社団徹心会ハートフル歯科