なるべく歯を残すためのむし歯治療（むし歯除去編）
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回はむし歯治療（むし歯除去）についてです。
むし歯の検診希望で来院されました。
口腔内を確認すると・・・左上の奥歯の咬む面（咬合面）にむし歯が見つかりました。
CR（コンポジットレジン）という合成樹脂の白いプラスチックが充填されています。
CRのまわりには歯との段差が確認され茶色、黒色に変色しています。
歯とCRの間に段差がありバイオフィルム（プラーク、歯垢）がたまりむし歯になっていると思われます。
歯のまわりにも茶色くむし歯になりかけています。
もしかしたら、歯ブラシが奥まで入っていなく磨けていない可能性もあります。
いきなりむし歯を削る治療をするのではなく、まず患者さんに現状をよく説明します。
歯みがきの習慣や食生活などを確認します。
むし歯のことや食生活、歯みがきの習慣などよく理解して頂いたあとにむし歯の治療をしていきます。
はじめに麻酔をします。
その後に以前治療してあるコンポジットレジンといわれる修復材料を除去します。
修復材料を除去してます。
修復材料の下にむし歯が確認されました。
修復材料と歯の間に隙間ができてむし歯が進行したのかと思われます。
注意深くむし歯を除去していきます。
キレイな歯質の色になりました。
むし歯になっていた歯質は柔らかくなっています。
健全な歯質は硬いです。実際に触ってみます。
硬い健全な歯質が確認できました。
むし歯が深い部分もあったので術後にしみたり咬んで痛みがでるなどの症状がなるべくでないようにコーティングをしていきます。
コーティングをする前にはラバーダムというゴムのマスクを装着します。
ラバーダムは根管治療をする際に装着するものと同じものを使用します。
なるべく乾燥した状態でのコーティング作業が必要です。
呼気や唾液などで歯が濡れていると材料が歯に接着しません。
そのためにラバーダムを行います。
患者さんによってはラバーダムが装着できない場合もあります。
ラバーダム装着後によくエアー（風）をかけて歯面を乾燥させます。
そして、コンポジットレジンが歯面に接着しやすくするためにボンディング材という液体を塗布します。
ボンディング材を塗布後優しくエアーをかけて歯科用光照射器を使用して光照射します。
そして、コンポジットレジンを詰めていきます。
気泡といって空気が入らないように気をつけて詰めていきます。
その後、光照射して硬化させます。
コンポジットレジンが硬化しているか確認します。
今回はセラミックインレーという部分的にかぶせる修復物での治療をしていきます。
今回はここまでです。
次回はセラミック用に形を整え口腔内カメラで撮影をしてセラミックインレーを取り付けていきます。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史
