歯を長持ちさせるためには?-予知性の高いセラミック形成①-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、、、
「歯を長持ちさせるためには」をテーマに
予知性の高いセラミック形成について
お話させていただきます。
セラミックのクラウンを作製する場合、
支台歯形成において、クラウンマージンの
位置を歯肉縁上に設定するか、歯肉縁下に設定するかを
選択する必要があります。
マージン?
縁上、縁下??
意味不明ですよね(笑)
すいません。
大事なキーワードなので
一つずつ説明していきますね。
☆マージン
歯質と修復物・補綴物の境界のこと。
☆歯肉縁上・縁下
歯と歯茎の境目(歯肉縁)より上を歯肉縁上、
下部分のことを歯肉縁下と言います。
歯肉縁下、いわゆる歯周ポケットのことです。
[歯肉縁上マージン]
歯肉縁上マージンを設定すると、
形成から装着までの過程において
歯周組織を損傷する危険性が少ないことは最も重要な利点です。
すなわち、生物学的条件からみると
歯肉縁上マージンの利点は多く、
歯牙及び歯周組織を可及的に保存、
保護するという意味では理想的と言われています。
しかし、欠点もあります。
軸面の高さが短くなるため維持力、抵抗力の不足を招きやすい。
また、以前装着されていた被せ物の辺縁位置が
歯肉縁下にある場合には、縁上では処理することはできません。
まとめます。
<歯肉縁上マージンの長所>
①形成時に歯肉に触れることがないため、
歯肉を傷つける危険性が少ない。
②歯肉との移行部が人工物でないため、
自然な形で作製可能なため、清掃しやすい。
④型取り時にマージンが鮮明であるため、
正確で精密な型取りができます。
⑤辺縁部を直視できるため、適合、形態のチェックがしやすい。
<歯肉縁上マージンの短所>
①被せ物と歯質マージン部の境界部において
完全な色の統一性が難しいため、審美性にやや劣る可能性がある
②脱離に抵抗する維持力が弱い
③むし歯の進行具合が進んでいる(深い)と
予想される場合には、不適応となる
[歯肉縁下マージン]
歯肉縁下マージンは、
オールセラミック修復においてはあまり推奨できません。
縁下マージンにせざるを得ないケースもありますが、
歯肉縁下マージンの設定位置は
歯肉縁下0.5~0.8mm程度の深さで
歯肉溝内に置かれるのが原則となっています。
歯肉縁下マージンの欠点は、
適合性の確認や形成・型取りが困難となります。
歯肉と人工物の接触により、
歯周組織へ為害作用を及ぼすことが挙げられます。
次回は症例解説を行っていきます。
さぁ、今日も1日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹