保存できる歯できない歯
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回は保存できる歯できない歯についてお話します。
保存できる歯できない歯と簡単にいっても、歯の残っている量、状態、歯並び、噛みあわせ、支えている骨の状態、破折であれば破折してからの期間などそれぞれの評価により保存できる状態なのかどうかを探っていく形になるため、残念ながら全ての歯を救えるわけではありませんし、残せたとしても何事のない歯に比べれば長期的予後を保証できるものではありません。しかし、抜歯の宣告をされていた歯が根管治療をし、被せ物まで入って違和感なく食事が取れるようになっているのも事実です。
今回から数回に分けてこの保存できる歯かどうか、正しくは保存できる可能性のある歯なのかどうかということをテーマに書かせていただこうと思います。
当院でお配りしているパンフレットに「歯の状態について」というパンフレットがあります。他院からセカンドオピニオンで来られる患者さんも少なくないため、保存ができるか否かの状態の時にお配りするパンフレットですが、多くの場合この図に基づき保存の可否をお話しております。
今回は歯のヒビについて。
歯のヒビといってもできる場所により大きく5つに分類されます。
保存可能なヒビとそうでないヒビ、イラストにもありますが、骨縁下まで達してしまっている場合保存ができないとされています。
左サイドの保存可能なヒビの場合、程度によりますが基本的には詰め物・被せ物で破折してしまった場所を覆ってしまえば保存可能といえますが、右サイドのように骨縁下まで破折が及んでいる場合、例えるなら家を建てる際の基礎にヒビが入っているわけですから丈夫な家は建てられず、噛んで痛い、ヒビから細菌感染を起こしてしまう・・・色々なトラブルが推測されるでしょう。
「歯にヒビが入っている。」「それにより保存ができない。」と言われた場合それがどれに分類されるかは、やはりマイクロスコープでの診療のような精密な診断が必要と言えるでしょう。一度入ってしまったヒビが、歯が再生して治ることはまずありません。
どういった状態でどういった処置が必要なのかはきちんとした設備の下診断してもらいましょう。
また残念なことに右ブロックの保存できないヒビに分類された場合も、条件によっては保存できる可能性があります。この内容については今後「接着治療」の回でお話ししていきたいと思います。全ての症例に適応になるわけではありませんが、抜歯を受け入れる前に一度適応になる状態なのかどうかご相談ください。
野田裕亮