今日は、ハートフル総合歯科グループ 小坂井 竜也です。

前回は、セレックシステムとプライムスキャンについての進化について紹介しました。

今回は実際使ってみた使用感や従来型であるオムニカムとの比較をさせていただきます。

(先に述べますが、これは私個人による雑感ですのでエビデンスのある比較ではありません。

当然、他者のよる感覚の違いや環境による違いがあることをご了承ください。)

まず、一番は洗練されたデザインでかっこいい!

でも、従来型よりでっかくて重い!

上がプライムスキャン

下がオムニカム(従来型)

これ実際奥歯とか口の中撮影できるかな…?と正直思いました。

しかし、その疑問は実際に使用して解消されました!

今回の症例は、左下7番のジルコニアクラウンのケースです。

土台を立てて形を整えて撮影を始めました。

すぐにわかったことは、遠くまで撮影できるので、従来型に比べて奥深くにカメラを突っ込まずにデータを取ることができました。

しかし、カメラ角が患者さんに当たって引っかかると痛い点と、奥歯の遠くのコンタクトの様な影になるところは、カメラの角度を立てなくてなならないので、結構撮影が難しいかもです。

従来型での撮影は時間がかかりすぎて、歯に撮影用のパウダーをかけたほうがよかったのですが、プライムスキャンはパウダーフリーで早い!パウダーは接着阻害因子なのでなければないほうがよいし、どうしても撮影範囲が雪景色の様になってしまい、セラミックの設計の境の判別がむずかしいケースも出てきます。(もちろん従来型ではパウダーをふったあと除去しています。)

ワンショットでの撮影時間はそこまで、、、でしたが、全顎の撮影が早い!撮影のぬけがないんです!

一番は、出血に強く、歯肉の下に近い箇所も従来に比べるとかなり鮮明になりました。

これにより、より多くの症例に対応でき、作成物の精度も上がるので楽しみです

その後、操作してみるとなんだか撮影後の画像の動かし方が難しい、、、プライムスキャンから廃止されたボールマウスが恋しい、、、と、思ったらタッチパネルで操作できるのを完全に忘れてました!感覚的に両手でサクサク使用できて、本当に使いやすかったです。

そして作成して、ジルコニアのsetです!

ジルコニアは堅ーい素材なので、調整しにくく扱いがデリケートです。だから精度が非常に重要になる症例なのです。

なんと今回はほぼ無調整でsetが完了しました!

これで確信できたのは、従来型に比べて全顎スキャンに対する歪みが圧倒的にないことです!

噛み合わせの精度はピカイチかもしれないので、これは従来の石膏模型での作成を完全に超えたかも、、、!

と感じさせる瞬間でした。

以上、精度が試されるシビアなケースでのプライムスキャンの優位性に関しての感想でした。

現在症例を重ねておりますが、今後、ブリッジなど難しいケースも増やしていきたいと思います。

全ては患者さんのために!

小坂井 竜也

医療法人社団徹心会ハートフル歯科