こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

今回は、前回からのブログの続きになります。

39才 女性

右下7番

<主訴>

数日前から右下の顎付近までの痛みを感じるようになった。

どの歯が痛いかはっきりと分からない。

現在、当院の系列の矯正医院にて矯正治療中である。

<現病歴>

・歯髄の診査

冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)

・根尖部歯周組織の診査

打診(±)、根尖部圧痛(±)

sinus tract(-)

プロービングdepth(3mm)

<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):

Previously treated(既根管治療済み歯)

・根尖歯周組織の状態(Apical):

Symptomatic apical periodontitis(症候性根尖性歯周炎)

<治療方針>
根管治療

感染根管のために汚れがたくさん出てきます。

徹底的に除去していきます!

水酸化カルシウムによる根管貼薬で根管内への持続的な消毒を行います。

再根管治療に至る病変発症の原因として考えられることについて少し書いてみたいと思います。

いくつか要因がありますが、今回は医原性要因についてまとめてみたいと思います。

医原性要因として、以前の根管治療の際に感染源となる唾液の侵入や歯髄壊死片及び感染象牙質が根管内に残留したまま根管充填を行なっているような不十分な根管拡大や清掃が挙げられます。

次に不十分な根管充填は再根管治療歯に最も多く見られます。適切な根管の拡大・清掃を行なっても緊密な根管充填が行われず死腔が存在することによって、細菌が繁殖する場を提供することになる。また、汚染物質の付着などが見られる根管充填材の先端が根尖孔外に突出すると、根尖周囲に炎症が生じることにもなります。

最後に根管壁への穿孔、レッジの形成、根尖孔の移動(トランスポーテーション)、根管内での器具破折などによって根管の拡大・清掃、殺菌が困難となり、根管系に細菌感染が持続することになります。誤った根管拡大形成操作は再根管治療の原因を作るきっかけとなります。

ハートフル歯科では、これらのことに注意しながら根管治療を行うように努めております。

その後、この患者様も無事に根管充填まで終えて治療終了となっております。

今日も一日頑張りましょう!

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科