パーフォレーション(偶発的穿孔)について考えてみる
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回のテーマは、「パーフォレーション(偶発的穿孔)」です。
根管治療の痛みや腫れの原因の一つに偶発的穿孔があります。
根管とは異なる部分に誤って穴があいている状態のことです。
パーフォレーション=穿孔
穿孔部から細菌感染して、炎症を引き起こし根尖病変をつくることがあります。
偶発的穿孔が起こる原因としては、歯科治療中の誤った処置(歯を削る道具で偶発的にあいてしまった)や重度のむし歯、歯根の吸収などが挙げられます。
その治療法としてパーフォレーションリペアがあります。
拡大視野下で水酸化カルシウム製剤や患者同意を得てMTAを使うことで穿孔部を封鎖して治癒を促します。
MTAを使用したブログは他にもいくつか書いております。
よろしければ参考にして下さい。
症例です。
51才 女性
左下6番
遠心頬側根(DB)と遠心舌側根(DL)の間にパーフォレーションがありました。
根管ではないところに穴があいており、出血が確認できます。
止血可能であれば、MTA充填可能になります。
もし、止血困難であればMTA充填は見送りになります。
場合によっては抜歯を選択せざるを得ないケースもあることをご了承下さい。
この患者様の場合には、止血可能な状態を保つことができましたので、パーフォレーション部をMTAにて封鎖しました。
MTAは自費治療になります。そのため、被せ物はセラミック治療を行う予定です。
経過観察が非常に重要なケースであるため、引き続き経過観察を行っていきたいと思います。
最後に、MTAについて注意すべき追加事項を書いておきます。
MTAを使用する際、以下のような場合は注意が必要です。
穿孔部の面積が大きい場合は、MTAにおける封鎖が困難となります。
なぜならば、穿孔部があまりにも大きいと充填時に泥のようになり、強度に問題が生じる恐れがあるからです。
穿孔部の面積が大きい場合は、滲出液や血液でMTAが流れてしまい、硬化不良により封鎖が不完全となります。
そのため、このような場合も保存困難と判断せざる得なくなり、抜歯適応となりますことをご了承下さい。
※繰り返しになりますが、MTA治療は保険適用外です。
“すべては患者様の笑顔のために”
本山 直樹