もしかして根尖性歯周炎になっていませんか?②
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、前回からのブログの続きになります。
39才 男性
右下5番
初回治療時に冠を除去して、隔壁作成まで行いました。根管口上部にガッタパーチャと呼ばれる根管充填材が見えます。一部除去していますが、やはり初診時のレントゲン写真より充填材が密ではないことが改めて分かります。
一枚目の写真と見比べてみた時に根管口の楕円の形が頬舌的に長くなっていることが分かりますでしょうか?下の写真を見てみましょう!
元々の根管口が大体赤で囲まれた部分です。そして、黄色の矢印分だけ舌側方向に拡大されています。つまり、この部分は拡大清掃不足であったことが分かります。このようなところが取り残しになり、細菌数の減少に影響を与えて結果として再感染のリスクを上げてしまうわけです。
だいぶキレイになりましたね。根尖までしっかり見えます。根尖付近でやや曲がっているような気がしますね(°▽°)
2回目の治療はここまでになります。最後に根管貼薬としてカルシペックスと呼ばれ水酸化カルシウム水性ペースト製材を入れて終わりになります。
ここで根管貼薬について触れておきますね♪(´ε` )
根管貼薬の目的は、
①根管内の細菌を取り除く
根管における機械的拡大と化学的洗浄により、大半の細菌は取り除くことができると言われていますが、それでも多少の細菌は残ります。この残留した細菌を殺すことが、根管貼薬の目的になります。
②根管内の細菌に増殖するスペースを与えない
根管内に残った細菌は、例え少しであったとしてもスペースがあれば増殖してしまいます。この細菌が増殖するスペースを埋めてしまうことも、根管貼薬の目的にあります。
また、貼薬的用途において水酸化カルシウムを使用する理由というのは、下記の5つになります。
1)根管拡大後の残存細菌の根絶
2)根尖歯周組織の炎症の消退
3)根管内容物の病原性の不活化
4)仮封材からの微少漏洩に対するバリアー形成
5)根管内を乾燥状態に保つ、排膿があるときなどに有効
根管貼薬は、根管治療における細菌減少を行うためには欠かせないステップと言われています。
今回はここまでなります。
次回は、いよいよ根管充填まで書いていきたいと思います。
お楽しみに〜(๑>◡<๑)
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹