根管充填の時期を考える①
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、「根管充填の時期を考える」をテーマに根管充填のタイミングについて書いていきたいと思います。
根管治療において、治療終了のタイミングは根管充填と呼ばれるステップになると思います。
根管充填とは、根管内における洗浄、消毒などが終わった後に行われる処置になります。つまり、根管充填まで治療が進んだということは、根管内がきれいに清掃された状態であると考えて下さい。根管充填は、充填という言葉からも想像できる通り、充填材料を根管内に詰めることを指します。充填する材料は、通常ガッタパーチャと呼ばれる材料を使用します。
ところで、根管充填はいつ・どのタイミングで行うべきなのか?
これが、今回のテーマです。
治療中にこのようなことをよく聞かれます。
「先生、あと何回ぐらいで終わりますか?」
もっともなご質問かと思います。
ざーっとですが、私の根管充填を行うタイミングを列挙してみます。
①根管の機械的拡大が終了している
②根管内の起炎因子が除去できている
③自発痛などの自覚症状が消失している
④根尖からの滲出液がない、もしくは軽微な状態である
⑤根管からの出血・排膿がない
⑥根尖部歯肉の圧痛がない
⑦綿栓、ペーパーポイントの汚染がない
初診の患者様でよく見かける根管治療の内容なのですが、抜髄して恐らく炎症状態が残っている。つまり、起炎因子が除去できていない状態で根管充填されて、痛い痛いの状態になっているケースです。抜髄根管で疼痛が認められる場合は、抜髄創面を含め根尖部周囲組織が炎症状態にあると考えられます。この状態で根管充塡を行うと浸出液などの逃げ場がなくなり、症状を悪化させる危険性があります。また、自発痛がなくても浸出液が認められる場合は、根尖部の十分な封鎖を行うことができないために根管充填を次回に見送ることがあります。
早ければ良いと言うわけではありませんが、遅くまでダラダラと治療を長期間に渡り、長引かせてもダメだと思います。あまりにも症状の改善が見られない場合は、私はより専門性の高い大学病院を紹介させていただいています。基本的には当院にてほぼ治療を完結できるように頑張っています♪(´ε` )
根管充填のタイミングまで階段を上るようにしっかりとステップを一つずつ踏んでいくことが、やはり一番大事ですよね。
次回は、症例を交えながら続きを書いていきたいと思います。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹