こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

今回は、「根管充填材が入っていない根管」をテーマに書いていきたいと思います。

根管に充填材が入っていないということが、根管治療の予後にどのような影響を与えるのかということを考えながら症例を交えてお伝えできればと思います。

症例です。

59才 女性

左下6番

<主訴>

他院にて半年前に左下6番の根管治療を行い、セラミックの被せ物を入れたそうです。

ところが、1週間前から歯肉が腫れてきたそうです。たまに違和感を感じており、根尖部付近を押すと痛みを感じるそうです。

この患者様は、私が診ている患者様のご紹介でした。

ありがとうございます(^○^)

それでは早速診ていきましょう!

<現病歴>

左下6番根尖部透過像(病変)あり

sinus tract(+)

・歯髄の診査

冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)

・根尖部歯周組織の診査

打診(+)、根尖部圧痛(+)

プロービングdepth(3mm)

<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Previously treated
(既根管治療歯)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Symptomatic apical periodontitis
(症候性根尖性歯周炎)

<治療方針>
根管治療

<術前レントゲン写真>

近心根の根尖部に不透過像(黒い影)を認めます。根尖病変ですね。

これが歯肉の腫れの原因かと思います。

そもそも根管がレントゲン上で確認できるにもかかわらず不足してますね。

随分、アンダーですね。恐らく4根管あると思いますが、遠心舌側根管にも根管充填材が入ってないですね。結局、根管治療が不十分なため、どこからか細菌感染を起こして病変をつくっていることが推測できます。

もしくは最初から病変が存在していて治癒に至っていないのかも…

患者様には現状を説明しました。

一応、病変の原因には歯根破折の可能性もあることも説明して、治療を行ってみないとはっきりしたことは分からない旨を伝えて、今の段階で分かることを説明しました。

「こんなに丁寧に説明してくれたの初めてです。」

「そういうことだったんですね…」

現状にとても納得されたお言葉をいただきました。

普段、診療を行なっていると、このようなお言葉をよく聞くことがあります。

私からすれば、「えっ!説明とかないの?」「どういうこと??」

初診の患者様とお話していると、よく分からないことがあります(笑)

つまり、説明不足なところが多いということなのかもしれません…

今回はここまでになります。

内容が結構ありますので、回を分けて書いていきたいと思います。

次回もよろしくお願い致します♪( ´▽`)

今日も一日頑張りましょう!

“すべては患者様の笑顔のために”

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科