ラバーダム&ZOO-2つの防湿法について-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回のテーマは、「防湿」です。
防湿は湿気を防ぐこと、湿気から守ることを言います。
ハートフル歯科で行なっている根管治療やセラミック治療などにおける防湿法について書いてみたいと思います。
お口の中は湿度が高いということをご存知でしょうか？
修復処置を行う前の象牙質窩洞に唾液が付着した場合、水洗をしっかり行っても唾液タンパク質が除去できず、接着操作におけるボンディング材の接着力を著しく低下させてしまうと言われています。そのため、舌や唾液を排除するためにラバーダムや多機能バキュームチップZOOを活用することが有効と言えます。ここからラバーダムとZOOについて、もう少し考えてみましょう。
初診の患者様にカウンセリングする時、
「ラバーダムをご存知ですか？」
「ラバーダムを使用して治療を受けましたか？」
このような質問を私から患者様にお尋ねすることがあります。
歯を救うために根管治療を成功させるためには、最新機材があれば必ず成功するとは限りません。歯科治療は「細菌」との戦いです！
根管治療で一番大切なことは、「防湿=細菌との戦い」と言っても過言ではありません。
ハートフル歯科では防湿処置に二つを使い分けています。
第一選択はラバーダムです。
治療歯に新たな細菌を入れない、無菌的な環境で治療を行うことは非常に重要になります。
そのためには「ラバーダム防湿」と言われる、歯にゴムのシートをかけ、お口の中と治療歯を隔離する処置を行います。
ラバーダム防湿を行うことで、治療歯を細菌から守り、強い消毒薬や器具などがお口の中にこぼれたり、落ちたりすることもなくなり、非常に安全に治療を進めることが可能となります。
次に、ZOO(ズー)というものを使用する時があります。
ZOOはバキュームに接続し、歯の周囲の唾液や呼気を吸引することで乾燥・防湿状態を維持できる器具です。
また、バネが開口状態を維持しチューブが舌と頬を排除するため、ストレスなくドクター一人でも治療可能です。
歯科治療において口腔内の唾液のコントロールを効果的に行わないと精密な治療はできません。
口腔内は湿度100%です。
このような状況ではセラミックなどの接着操作において歯とセラミックとのセメントにおける接着力がガクンと落ちてしまうことが分かっています。
最近の歯科治療は接着力に依存しますので、防湿はとても重要と言えるのです。
防湿と言えば、もちろんラバーダムが装着できればベストですが、できない場合もたくさんあります。
ラバーダムに必要なクランプというものが引っかかるための十分な歯牙がない場合です。
それでは、防湿を諦めてしまうのか…？
ハートフル歯科では、根管治療時において可能な限りラバーダムを使用することを心がけています。
そして、「防湿」をしっかりとした基本に忠実な根管治療を行っています。
今日も一日頑張りましょう！
“すべては患者様の笑顔のために”
本山 直樹
