こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

今回は、、、

「曲がった根管」についてをテーマに書いてみたいと思います。

まず最初に根管治療の難しさはどこにあると思いますか?

答えは、根管の解剖学的構造にあると言われています。

下図をご覧下さい!

根管は、歯の中にある神経や血管が通っている管になります。

ご覧のように、根管は網目状に細かく張り巡らされていたり、

曲がっていたり、1つとして同じ根管はありません。

そこで私は、根管の機械的拡大において「ニッケルチタンファイル」を使用します。

使用のタイミングは根管の状態をみて行いますが、使用しないケースもあります。

 

ニッケルチタン(NiTi)ファイルを使用することで複雑な根管でも治療しやすくなりました。

ニッケルチタンファイルの最大の特徴は超弾性を有しており非常に軟らかいため、微細に複雑に曲がっている根管に沿って挿入できることです。

従来のステンレススチール製ファイルでは、複雑な根管内に挿入することができない場合が多く、感染物質を取り残すことがありました。

また、ステンレススチールはニッケルチタンに比べ屈曲しにくいため、曲がっている根管を破壊してしまい、正確でかつ精密な根管治療ができないことがありました。

しかし、ニッケルチタンファイルを使うことで、複雑な根管であっても正確な治療が可能になりました。

但し、ニッケルチタンファイルにおける機械的拡大だけでは、その全てを清掃できるわけではありません。

薬液による消毒、化学的洗浄も必要になります。

さらにこれらを行っても網目状の根管治療の難しさが解決できるわけではないのです。

根管治療の真の難しさがここにあります…

根管治療の成功率を上げるために少しでも良いことを一つ一つ行うこと、

私たちにできる最善を尽くすのみです。

注意: 曲がった根管にはニッケルチタンファイルが有益です。

しかし、ねじれに弱いために、複数回使用すると破折してしまいます。
そこで、曲がった根管では、新品のニッケルチタンフィルを使用することでリスクコントロールをしています。

コストがかかってしまうので、多くの歯科医院では自費の根管治療で使用していると聞いております。

次回は症例解説になります。

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

 

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科