左下6番感染根管治療②-根管開放-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は前回からのブログの続きです。
症例です。
33才 男性
左下6番
<主訴>
他院にて1年間、根管治療中。
痛みと腫れを繰り返し、仮封すると痛みがでるため
仮封せずに開放状態。
症状の改善が見られないため、当院を受診。
<現病歴>
左下6番近心根に根尖部透過像あり
冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)、
打診(+)、根尖部圧痛(+)
<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Previously initiated therapy
(根管治療開始歯)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Symptomatic apical periodontitis
(症候性根尖性歯周炎)
<治療方針>
根管治療
術前です。
根管開放の状態で来院されました。
初診時、痛みは多少落ち着いているとのことでしたが、歯肉の腫れが少しありました。
黄色丸部分に根尖病変を認めます。
根管の清掃・消毒を行い、
初診時に見られた根尖部からの炎症性の出血もなくなりました。
根管充填の準備ができました。
根管充填後です。
痛みも腫れもなく、根管内の清掃・消毒も終わり、
無事根管充填しました。
治療回数は4回でした。
今後は経過観察となります。
お疲れ様でした( ´∀`)
最後に、、、
「なぜ、ラバーダムをするのか?」
原点ですね。
根管内に細菌が侵入すると感染して炎症反応が起こります。
炎症反応は体の防御機構として細菌と白血球の戦いが局所で起こります。
その結果、白血球の死骸である膿が局所で溜まります。
これが根尖病変になります。
((;゜Д゜)ガクガクブルブル
根管治療の意義は根管内に細菌を侵入させない。
細菌の侵入を防ぐということです。
ラバーダムは必須です!!
そして、被せ物も同様です。
適合の良い、接着力の高い被せ物を装着することにより
歯の中に細菌の侵入が起こるのを防ぐということなのです。
だから、根管だけキレイにしてもダメなのです。
被せ物まで、上部構造までしっかりやらないと!
せっかくきちんと基礎工事=根管治療をしても、
被せ物が銀歯の場合、自分の歯と違ってすり減ることが少ないので、
年月が経って天然歯がすり減ると相対的に銀歯が高くなり、
根っこの破折に導かれることがあります。
昨今、歯根破折で来院する方が増えています。
歯を救うためには、根管治療だけでなく、被せ物にも注目して欲しいものです。
セラミック治療をご案内しているのは、そのためです。
逆も然りです、、、
被せ物が良くても、根管内が汚ければよくありません。
家で例えるならば、欠陥住宅と同じです。
「自分が受けたい治療」
「自分の家族に受けさせたい医療」
より良い根管治療を!!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹