こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

今回は、、、

「曲がった根管」についてをテーマに

書いてみたいと思います。

まず最初に根管治療の難しさは

どこにあると思いますか?

答えは、根管の解剖学的構造にあると言われています。

下図をご覧下さい!

根管は、歯の中にある神経や血管が通っている管になります。

ご覧のように、根管は網目状に細かく張り巡らされていたり、

曲がっていたり、1つとして同じ根管はありません。

そこで私は、根管の機械的拡大において

「ニッケルチタンファイル」を使用します。

使用のタイミングは根管の状態をみて行いますが、

使用しないケースもあります。

ニッケルチタン(NiTi)ファイルを使用することで

複雑な根管でも治療しやすくなりました。

ニッケルチタンファイルの最大の特徴は

超弾性を有しており非常に軟らかいため、

微細に複雑に曲がっている根管に沿って挿入できることです。

従来のステンレススチール製ファイルでは、

複雑な根管内に挿入することができない

場合が多く、感染物質を取り残すことがありました。

また、ステンレススチールはニッケルチタンに比べ

屈曲しにくいため、曲がっている根管を

破壊してしまい、正確でかつ精密な根管治療が

できないことがありました。

しかし、ニッケルチタンファイルを使うことで、

複雑な根管であっても正確な治療が

可能になりました。

但し、ニッケルチタンファイルにおける

機械的拡大だけでは、その全てを清掃できるわけではありません。

薬液による消毒、化学的洗浄も必要になります。

さらにこれらを行っても

網目状の根管治療の難しさが

解決できるわけではないのです。

根管治療の真の難しさがここにあります…

根管治療の成功率を上げるために

少しでも良いことを一つ一つ行うこと、

私たちにできる最善を尽くすのみです。

注意: 曲がった根管にはニッケルチタンファイルが有益です。
しかし、ねじれに弱いために、複数回使用すると破折してしまいます。
そこで、曲がった根管では、新品のニッケルチタンフィルを使用することで
リスクコントロールをしています。
コストがかかってしまうので、多くの歯科医院では自費の根管治療で使用しています。

 

症例です。

42才 女性

右上5番

<主訴>

過去にセラミック治療を行った歯に

痛みがあるということで来院。

セラミック治療を受けた時に

むし歯が深く、神経に近接していることを

言われていたそうです。

<現病歴>

冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)、

打診(+)、根尖部圧痛(+)

sinus tractあり

(↑歯の周囲・顎骨の中に溜まった膿が出て行く穴のこと)

<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Pulp necrosis
(歯髄壊死)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Symptomatic apical periodontitis
(症候性根尖性歯周炎)

<治療方針>
根管治療

<術前>

根尖の形が何か変ですね、、、

曲がってるのかな?

<ファイル試適>

ファイルを挿入してレントゲン撮影を行うと

根尖にて曲がってるのが確認できます。

<根管充填後>

痛みとsinus tractの消失を確認して

根管充填を行いました。

治療回数は4回でした。

曲がってる根尖部まで充填材が入っており、

根管側枝にも充填材が入っていることが

確認できます。

最後に、、、

根管はそのほとんどが湾曲しています。

その根管(=道)をまっすぐのまま曲がらない

ファイルで進めばトラブルが起こることは

誰が見ても明白ですよね。

これはよく例に挙げられるお話ですが、

カーブしている道に対してバイクで曲がろうとする場合、

減速すると思います。

減速せずスピードがそのままであれば、

曲がれずまっすぐ行ってしまいます。

また、ハンドルで曲がる機能がバイクにないとしたら、

減速しても曲がることは難しいでしょう。

そのために、

「ニッケルチタンファイル」があります。

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

 

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科