こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は、左上の前から4番目の第一小臼歯の根管治療をついて書きたいと思います。
前回のブログです→https://heartful-konkan.com/?p=18368&preview=true

根管治療をする前に古い被せ物と土台の心棒を除去しました。
土台の心棒の除去については以前に書かせて頂きましたブログをお読み頂ければと思います。

こちらの画像は古い被せ物と土台の心棒を除去した状態です。
オレンジ色の材料は古い根管充填材のお薬です。
根管内にはむし歯も確認できました。
根管治療を行う前にまず歯の頭の部分(歯冠部)のむし歯などの汚れを除去していきます。
歯冠部にむし歯が残っている場合や汚れがある状態で根管治療を行うと根管内に歯冠部の汚れを押し込んでしまう可能性が高いです。そのため根管治療を行う前の歯冠部の汚れを除去することはとても大切です。
歯冠部のむし歯や汚れを除去すると歯質がなくなります。
歯質が少ない状態だと根管治療時に唾液が入り乾燥した状態で治療ができない場合があります。他にも根管治療中の洗浄のお薬が外に漏れてしまうなどよいコンディションで根管治療ができないことなどがあります。そこで隔壁といわれるコンポジットレジンの歯科用のプラスチックを使い補強します。

隔壁(白い部分)を作成しました。
ラバーダムというゴムのマスクをかけるためにクランプという金属の金具を隔壁につけている画像です。
クランプにも種類があります。上下前歯用、上下小臼歯用、上下大臼歯用です。
それぞれの特徴に合わせてクランプを選んでいきます。
歯冠部に歯質や隔壁がないとラバーダムのクランプがかかりません。
ラバーダムをかけるためにも隔壁は重要ですね。
歯の状態により担当歯科医師の判断で隔壁やラバーダムができないこともあります。

こちらがラバーダムを左上第一小臼歯にかけた状態です。
この状態になってから根管治療をはじめていきます。
今回は根管治療をする前に歯冠部のむし歯や汚れを除去し隔壁を作成しラバーダムを装着するところまで書かせて頂きました。
次回は以前の根管治療の際に根管内のガッタパーチャを除去していく内容を書きたいと思います。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史

医療法人社団徹心会ハートフル歯科