右上4番感染根管治療-電気メスによる歯肉切除①-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
25才 男性
右上4番 感染根管治療
<主訴>
右上4番において、最初のA歯科院で根管治療を開始するも
途中で通院を怠り治療中断していた。
しばらくして、次のB歯科医院で治療再開することにしたが、
歯牙の状況から抜歯を勧められた。自費の根管治療ならば治療可能であり、
歯の保存が可能であるという説明を受けたが、費用が高額であるため
治療を断念した。保険内でラバーダム・マイクロスコープを使用してくれる
歯科医院をインターネットで検索して当院を受診。
痛みや腫れなどの自覚症状はなし。
<現病歴>
・歯髄の診査
冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)
・根尖部歯周組織の診査
打診(±)、根尖部圧痛(±)
プロービングdepth(3mm)
<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Previously initiated therapy
(根管治療開始歯)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Symptomatic apical periodontitis
(症候性根尖性歯周炎)
<治療方針>
根管治療
<術前レントゲン写真>
患歯は右上4番になります。
歯冠部がほぼ崩壊しており、C3状態です。
根尖病変は認められませんでした。
<術前口腔内写真①>
頬側歯質が崩壊しており、口蓋側のみ残っている状態です。
むし歯である軟化象牙質が残っていることが確認できます。
<術前口腔内写真②>
咬合面、上から見たところです。
隣接部分である近心・遠心側の歯質がむし歯でなくなり、歯肉が内側に陥入しています。
状態としては、補綴と呼ばれる被せ物の治療まで考えると歯の保存的には厳しい状態と言わなければなりません。
なぜならば、接着という観点からマージンが歯肉縁下になるため接着力の低下が起こり、
被せ物の脱離や細菌の侵入を容易に許す結果を招いてしまう恐れがあるからです。
根の病気の再発リスクが高くなりますよね。
理想的に処置を行うのであれば、MTM(小矯正)を行いワイヤーやフックを用いて
歯を歯肉縁上まで引っ張り上げることがベストであると思います。
患者様に治療内容を説明しましたが、この治療は自費治療になるため、
保険治療をやはり希望されました。
保険治療には限界があることを理解していただき、保険内で最善を尽くすことにしました。
何とか頑張ってみましょう!
(*´꒳`*)
最初に行う処置としては、感染がみられる軟化象牙質の除去と陥入している歯肉切除を電気メスで行います。
そして、根管治療がしっかりと行えるように失われている歯質部分を隔壁によって再構築します。
適切な根管治療を行うための前準備になりますね、、、
でも、とても大切な治療ステップです。
今回はここまでになります。
治療の方向性は大体決まりましたね。
本格的な治療の詳細は次回以降のブログで!!
お楽しみに♪(´ε` )
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹