右上6番抜髄治療-むし歯で大きな穴があいてるけれども、痛みがない!?①-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
34才 女性
右上6番 抜髄治療
<主訴>
右上6番において、歯のクリーニング中におけるメインテナンス時に大きな虫歯による実質欠損が認められた。
患者自身による自覚症状なし。
歯と歯の間に食べ物がつまりやすいことを時折感じていた。
<現病歴>
・歯髄の診査
冷水痛(±)、温熱痛(±)、電気診(+)
・根尖部歯周組織の診査
打診(±)、根尖部圧痛(±)
プロービングdepth(3mm)
<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Asymptomatic irreversible pulpitis
(無症候性不可逆性歯髄炎)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Asymptomatic apical periodontitis
(無症候性根尖性歯周炎)
<治療方針>
根管治療
<術前レントゲン写真>
右上6番遠心部において、神経に到達していると思われるむし歯が確認できます。
<術前口腔内写真>
セラミックインレーが入っていますね。
口蓋側から見ています。
穴があいているために、歯肉も下がっていますね。
実際に遠心部のむし歯部分を観察してみると、
だいぶ大きいですよね、、、(←黄色点線丸部分)
右上6番における遠心部からのむし歯が神経に達していたので
抜髄治療を行い、遠心部分には隔壁を作成しました。
赤い矢印で表示されている遠心頬側根(DB根)の根管口明示が甘いので、もう少ししっかりと明示するために歯を頬側方向に切削していきます。
このステップをきちんと行わないと、ファイル操作の障害になります。
このステップを、“ストレートラインアクセス”と呼びます!
根管口部の象牙質の張り出しを除去することを言います。
根管の入り口である根管口を適切に拡大しておくことで
ファイルが真っ直ぐに挿入できるようになり、
根管途中で引っかかることなく、スムーズなファイリングを行うことができます。
ストレートラインアクセスの形成は、根管の湾曲度を減少させて
根管拡大形成時に起こるレッジやトランスポーテーション(根尖の変位)のような歯質の過剰切削を予防することができます。
上から見て3つの根管口がはっきりと見えることが確認できます。
ここまで終えたら、初めて根尖部の拡大形成を行なっていきます。
中途半端に始めると、根管途中で引っかかったりして
そこで無理な力を加えてしまうとファイルの破折を起こしてしまう恐れがあります。
何事も慎重に行なっていきましょうwww
はい!
今回はここまでになります。
続きは次回に書かせていただきます。
あとは根管充填まで一直線ですねww
よろしくお願い致します。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹