左下6番感染根管治療-痛み止めを飲んでも、症状が落ち着かない②-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は前回のブログの続きになります。
https://heartful-konkan.com/blog/dr_motoyama/17489
2回目の根管治療です。
前回は抜髄治療と呼ばれる最初の神経除去治療を行いました。
「Initial Treatment(イニシャルトリートメント)」
上記のように表記することもあります。
前回の治療時から痛みもなくなり、
治療後も特に大きな痛みもでなかったそうです。
振り返ると、患歯は“歯髄壊疽”であったと考えられます。
歯髄壊死との鑑別の違いは、
髄腔開拡をした時に歯髄壊疽は腐敗臭がすると言われています。
歯髄壊疽までの流れとして、まず歯髄の炎症が進行します。
→炎症途中で腐敗菌に感染します。→そのまま歯髄が壊死していきます。
→腐敗菌の感染があるため歯髄壊疽へ
根管内にファイルと呼ばれる器具を挿入して
レントゲン上で根管の長さの確認を行います。
3回目の根管治療です。
スムーズに治療も進み、3回の治療で根管充填まで終えることができました。
根管充填後のレントゲン写真です。
4根管にしっかりとガッタパーチャが充填されているのが確認できます。
今回の治療のまとめとして、、、
歯髄壊疽の病態の再確認です。
歯髄壊疽は歯髄壊死後に細菌感染が加わった病態になります。
感染するのは嫌気性菌(腐敗菌)です。
歯髄腔内の物質を発酵させ、腐敗臭を放ちます。
そのため、腐った臭いがとてもはっきりと分かります。
嫌気性細菌は、酸素がある場所を嫌います。
歯髄壊死を起こしているような歯髄腔は、非常に繁殖しやすい場所となるわけです。
歯髄壊疽の状態は、強い痛みを伴うことがほとんどです。
根管治療は必須となり、早期対応が求められます。
痛みを感じたら、早期受診して適切な治療を受けるようにお願い致します。
最後に、、、
この患者様は、今後の予定としてファイバーコアによる支台築造と
銀歯の被せ物を入れる治療を選択されました。
痛みはなくなりましたが、今後の経過観察をきちんと行うことが
とても大切になってきます。
お疲れ様でした。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹