こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

今回は、、、

「見落とされた根管」がテーマです!

 

51才 男性

左上7番 感染根管治療

<主訴>

左上7番において、

他院にて3ヶ月前にセラミック治療を受けた。

ところが2〜3日前から咬合痛があり、

食事時に痛くて困っているということで来院されました。

<現病歴>

・歯髄の診査

冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)

・根尖部歯周組織の診査

打診(++)、根尖部圧痛(++)

プロービングdepth(3mm)

<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Previously treated
(既根管治療歯)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Symptomatic apical periodontitis
(症候性根尖性歯周炎)

<治療方針>
根管治療

<術前レントゲン写真>

左上7番において、強い打診痛が認められました。

このレントゲン写真を見た時に、

「うん?」

「あれ??」と思いました。

口蓋根は処置されてないのかな?

根管充填材が入ってないなぁ〜

何でだろう??

赤丸部分には根尖病変も認められます。

恐らく、口蓋根管が見つからなかったのか…

未処置のまま被せ物の装着を行なったが、

未処置根管に細菌感染して、残髄している

歯髄(神経)が腐敗して死んでしまい、

化膿しているものと推測できます。

これが痛みの原因ですかね、、、

実際に、セラミッククラウンの除去を行うことにしました。

ラバーダムを使用するために、隔壁として一部の冠を利用します。

全部除去せずに上部の一部分だけ除去して、

根管口明示を行うことにしました。

これが大変でした。

冠の中にあるレジンの土台が結構深くまで

入っており、色も白いため見分けがつきにくく

慎重にマイクロスコープを覗きながら、

丁寧に除去していきました。

パーフォレーション(偶発的穿孔)が

このような場合、一番怖いですから…

黄色矢印部分が、見落とされた口蓋根管です。

これ、実は意外と早く見つかりました。

やはり、歯髄が死んでいる状態でした。

逆に頬側の2根管がレジンの土台に埋もれており、

見つけるのが大変でした。

結果として、、、

やはり3根管の内、2根管は処置されていたが、

1根管は未処置でした。

未処置根管は口蓋根管。

また、根尖に病変があることもレントゲンより確認しております。

今回は、ここまでになります。

次回以降にブログの続きとして

2回目からの根管治療を書いていきたいと思います。

よろしくお願い致します。

 

今日も一日頑張りましょう!

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科