こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

前回からのブログ①・②の続きです。

原因歯から離れた部位、予期せぬ部位に瘻孔が開口しており

術前診査が不完全であったために治療部位の特定を間違えてしまい、

瘻孔の閉鎖、治癒が行われなかったケースのお話でした。

幸いにも最初に治療を行った歯、左上6番は感染根管治療の必要な歯でした。

この歯は無事根管充填まで終了しています。

一般的に瘻孔は原因歯に近い場所、粘膜に開口します。

多くの症例を見てきましたが、大半が原因歯の根尖付近に開口していました。

別の患者様ですが、歯肉が大きく腫れています。

詰め物の下にむし歯がありますね。

原因は歯と詰め物の隙間から細菌感染して

神経が壊死して化膿したために腫れたのではと推測できます。

根管治療を開始してから間もなく腫れが引いている状態です。

良かったです!(^^)!

滞りなく根管治療が進み、無事に根管充填まで終了しております。

 

適切な治療を原因歯に行えば上部画像のように治癒します。

しかし、臨床を行なっていると絶対ではないということに遭遇します。

今回、一番に感じたことは瘻孔を発見した時は、

いつでもいかなる時でも原病巣を探るために

レントゲン写真を追加して撮影すべきです。

すなわち、ガッタパーチャポイントを瘻孔内に挿入した状態でレントゲン写真を撮ることができれば、

ガッタパーチャポイントの先端が原病巣を教えてくれます。

指し示してくれるのです!!

今回の経験を踏まえて、ルーティン化して必ず行うようにしています。

アクセサリーポイントのような細くて

柔らかいグニャッとしてしまうものですと、長さも短いためイマイチです。

私のところには、たまに余ったもしくは間違えて買ってしまったものがなぜか届きます。

メンバーが笑顔で渡してくれます(笑)

私は不良在庫になっている04テーパーの45号のメインポイントを使用しています。

この方法の最大のポイントは、患歯の特定ができるということです。

瘻孔が歯髄(神経)からきているのか、

もしくは辺縁歯周組織からのものなのか、

そして複根管歯のどの根が原因であるのかも特定することができます。

この患者様も瘻孔にガッタパーチャポイントを挿入して

治療部位と根管を特定することができています。

※ポイント挿入時に痛みが多少あります。

 

最後に、

瘻孔形成が認められる症例に対しては、

きわめて注意深い診断が必要であるということなのです。

今日も頑張っていきましょう!

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

 

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科